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***
涼介 side…
12月25日…クリスマス。
ついにこの日が来た。
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一週間前、AからLINEが来たときは
何かの冗談かと思った。
“会いたい”って言ってくれたことも。
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でも、やっぱり連絡が来たことの方が嬉しいし、
単純に浮かれてたわけよ。
Aのことになるといつも必死になって
周りが見えなくなるんだよな…
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隣町のイルミネーション会場。
赤、白、緑に染まる
カップルだらけのクリスマス。
待ち合わせの時間まであと少し…
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涼介「まだかねぇ…」
.
冷たい風が吹いて、自分の手を擦り合わせる。
Aが来たらこの冷たい手、頬っぺたに付けてやろうか。
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寒いのが苦手なAのことだから
きっと大きな目を見開いてほっぺた膨らませて拗ねてさ。
でも小さな手を差し出して、冷たいなんて言って
温めてくれたりして。
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涼介「…っ、やべぇ…」
.
口元を手で隠して、下を見る。
頭の中のAは“可愛い”以外の言葉が思いつかない。
ちょっと想像しただけで
デレデレになるのは、相当だ。
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早く会って、Aを抱きしめたい。
無邪気に笑うAの顔が見たい。
時計を見ると、少し過ぎちゃってるけど
まだかまだかと楽しみで仕方ない。
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…けどさ。
涼介「…さみぃ。」
.
待てど待てども、Aは来ない。
真上にあった太陽は沈みかけていた。
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何度か連絡してみるも、返事どころか
既読すら付かない。
何かあったんじゃないかと
電話もかけるけど全然繋がらないし…
.
日付が変わる数分前。
イルミネーションのライトアップが消えていく。
家族連れもカップルもいつの間にか居なくなり、
俺は一人で佇んでいる…
.
涼介「マジさみぃ…」
.
だけど、俺は待ち続けていた。
でもさ、結局Aは来なかった…
.
そして、その数ヶ月後…
一度も会うことないまま、
何も言わず、Aは学校を辞めていた…
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移行しました (。_。*)
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毒林檎のつくりかた 7
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作者名:まりも | 作成日時:2021年6月20日 23時