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***
明穂さんが発した言葉は、
何だかとっても奥が深くて。
.
侑李「うー、寒かったぁ…早く食べよ。」
圭人「ちぃちゃん俺に持たせ過ぎ…」
裕翔「ただいまぁ!…って何この空気。」
明穂「さぁ?…それより私たちももう帰りましょう。」
裕翔「は?お腹空いたんじゃないの?」
明穂「気分が変わった。オカモトケイト、早く車出して。」
圭人「え、えぇ?」
.
それは四人が帰ってからも。
ちゃんと理解するのに、私はかなりの時間を
過ごしてしまい。
.
「…っ。」
.
夜明け前の曙色の空。
スマホを取り出して、連絡先の一番上をタップする。
.
“山田涼介”
その名前を見るだけで
きゅうっと胸が締め付けられる。
.
あの日から一度も会えてなくて
あの日から一度も連絡を取っていない。
今までずっと一緒にいたから離れているのが
不思議で、おかしくて、ぽっかり穴が空いてるようで…
.
「…っ。」
.
涼介の連絡先をタップしたのは
ちゃんと“決めた”から…
もう大丈夫だと思ったから。
涼介だけは、傍にいてくれるって分かったから…
.
だから…
「…っ。」
.
指先が震える。
文字を打って、何度も確認して
送信ボタンを押すまで何分もかけて。
.
“来週の土曜日、会えないかな?”
“涼介に、会いたい”
“いいよ”
“土曜日、会おっか”
.
来週の土曜日…
その日は、12月25日だった。
***
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作者名：まりも
| 作成日時：2021年6月20日 23時
