毒林檎のつくりかた 6 (Daiki＆Ryosuke) (ページ43)

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明穂「そして、限界になるまで溜め込んでしまう。」

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戸惑いながらも大人しく聞いている私に、

明穂さんは一旦そこで言葉を区切ると。

真剣な瞳を向けてきた。

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明穂「あなただけを想って、

あなただけを大切にしてくれる人なんて、滅多にいないの。

あなたにはそんな人がちゃんといるのだから、

彼の所に行くのが当たり前じゃないの?」

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静かに空気へと溶けていく、明穂さんの声。

私は反射的に口を開きはしたけど

そのまま返す言葉に詰まってしまう。

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思い浮かぶのは、さっき見た写真に写っていた

涼介の姿。

大貴と付き合う前からずっと傍にいてくれたことや

進路に悩んだときに背中を押してくれたこと。

いつでも私の味方になってくれたこと。

それから、いつも寂しそうな目で私を見ていたこと…

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大貴のことを想っていた間も、

涼介がくれたのは、あまりにも切ない温もり…

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ゆらゆらと揺れる視線。

さらに滲み始めた涙で、一気に世界がぼやけ、

私は顔を俯かせてぎゅっと目を瞑る。

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そんな私を一瞥し。

明穂さんはまるで独り言のように、

さっきと同じような言葉を投げかけてきた。

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明穂「もう一度言うけど、あなたにはあなたを想う、

山田涼介がいるんだから…

他には何もいらないでしょ?」

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