255 ページ5
***
優雪「はぁ、分かったよ。今日は帰るけど…
また会おうね、Aおねぇちゃん。」
.
拗ねたように頬を膨らませるゆきちゃんを
涼介が会場から追い出してくれる。
私はそれを遠目で見て、無意識に体が動く。
涼介に背を向け、裏口を目掛けて出ようと…
.
涼介「待ってA。どこに…」
「離して。」
涼介「無理…」
.
涼介の手が私の肩を掴む。
幼馴染で大好きな人の、どこか余裕のない声。
私はドアを潜り抜けた所で、
たった一度だけ振り返る。
.
「涼介だけはずっと信じてたのに。
全部知ってたのに、隠してたんだね。」
.
涼介の顔が歪む。
ひどく辛そうにグッと唇を噛んで。
そんな涼介が、酷いと思ってしまった。
そんな顔をされたら、言葉に詰まってしまう。
.
私が魔女だとしたら、
涼介はきっと魔女の協力者か手下。
私を魔女にした涼介が、許せない…
.
涼介「だからそれは…!」
「…っ、最低!」
.
こんなに声を荒げたのは
初めてだったかもしれない。
だけど、必死だった。
.
顔も見ずに、涼介を突き飛ばしてしまった。
靴を爪先だけ引っかけて、外に出る。
今、何に対して怒っていて、何に対して哀しいのか
私自身分からなくなっていた。
.
ただ、こんな大切なことを
当事者の私が全く知らなかったこと。
私のことを守るためだったとはいえ、
何も言ってくれなかったこと。
もし教えてくれてたら
違う未来があったかもしれないということ…
.
涼介は追いかけて来なかった。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まりも
| 作成日時：2021年6月20日 23時
