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優雪「すごいね、本当にこんなとこ

住んでるんだ。」








.








ドアの前で部屋の中を覗き見るなり

クスクス笑うゆきちゃん。









目が合うと、ゆきちゃんは哀れむような目で

私を見た。









.









優雪「ある程度予想はしてたけど、

こんな家に住んでたんだね…」








「…っ、何しに来たの?」









.








ゆきちゃんの台詞に唇を噛んで堪えて。

私は彼女を睨むように見る。








そんな私にゆきちゃんは小首を傾げて

茶封筒を差し出した。








.







優雪「さっきも言ったでしょう?

検査の結果。私たちが本当に姉妹かどうかの。」








「は…」








優雪「だから早く中に入れて?」









.








ゆきちゃんが喋るたびに

自分の胸の鼓動が強くなる。







呼吸が早くなって苦しくて…









.








優雪「あれ、入れてくれないの?

じゃあここで結果見てみる?」









「…っ。」









.








まるで、内緒でお菓子食べちゃう?みたいな

いたずらっ子の言い方。








ジッとその視線に耐えていると、

ゆきちゃんは軽く唇を舐めて、はいと私に手渡した。









.








優雪「じゃあはなちゃんが見てみてよ。」

「え…」









優雪「それぐらい出来るでしょう?」









.









ほら、って拒否なんて許されない、

ゆきちゃんからの圧。









ゆきちゃんの綺麗な爪が向けられて

私は手の平に爪が食い込むくらいに拳を握る。








.









「…っ。」









.








半ば強引に押し付けられた封筒に

ギュッと力がこもる。









無意識に震える手。

私は手を震わせながら、封筒の中身を取り出した…








.









優雪「どうだった?」









.









ゆきちゃんが腕を組みながら

冷たい目で私を見てる。









どうだった?なんて、ゆきちゃんだって

もう分かってるはずだ。









.









何も言えない私に、ゆきちゃんは私から紙を奪い取って

あら、と私の顔を憐れむように覗き込んだ。









.








優雪「ふふ、これでハッキリと

分かっちゃったね。」









.








”花寺Aとの父肯定確率、99.999%”









***

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作者名:まりも | 作成日時:2021年6月20日 23時

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