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涼介「…よろしくじゃねぇだろ。」








.








涼介の低い呟きが聞こえて

大貴がやっと私たちの方を向く。








.







大貴「やまだ…?」








.








固まる私たちに大貴は目を見開く。

でも、それは一瞬だった。








大貴はゆっくりと涼介に歩み寄って

ふっと笑った。








.








大貴「久しぶり。元気だったか?」

涼介「は?」







大貴「はなちゃんも。久しぶり。」

「……っ。」








.








至って普通に、大貴は私たちに笑いかける。








八乙女先輩と伊野尾先輩は

知り合い?って大貴に聞いて…








.








大貴「二人とも高校ん時の後輩。」








光「へぇ。」

慧「世間は狭いなぁ。」








.








彼らの会話が耳に入らない。








.









大貴、私のこと"はなちゃん"って呼んだ。

今まで"A"だったのに。








そういえば、この前会った時も

大貴は私のこと名前で呼ばなかった…









.









「…っ。」









.









思い知らされた。









.









"A"









大貴がそう呼んでくれるのは、

もう二度とないんだ。









.









胸が痛くて、何か一言でも発すれば、

涙が出そうで。









泣かないように唇を噛むけど、痛くて…









.









「…っ。」









.









上手く息が吸えない。

誰か、助けて…









.









涼介「…ふざけんな。」








***

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作者名:まりも | 作成日時:2020年2月22日 22時

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