58 ページ8
***
涼介「…よろしくじゃねぇだろ。」
.
涼介の低い呟きが聞こえて
大貴がやっと私たちの方を向く。
.
大貴「やまだ…?」
.
固まる私たちに大貴は目を見開く。
でも、それは一瞬だった。
大貴はゆっくりと涼介に歩み寄って
ふっと笑った。
.
大貴「久しぶり。元気だったか?」
涼介「は?」
大貴「はなちゃんも。久しぶり。」
「……っ。」
.
至って普通に、大貴は私たちに笑いかける。
八乙女先輩と伊野尾先輩は
知り合い?って大貴に聞いて…
.
大貴「二人とも高校ん時の後輩。」
光「へぇ。」
慧「世間は狭いなぁ。」
.
彼らの会話が耳に入らない。
.
大貴、私のこと"はなちゃん"って呼んだ。
今まで"A"だったのに。
そういえば、この前会った時も
大貴は私のこと名前で呼ばなかった…
.
「…っ。」
.
思い知らされた。
.
"A"
大貴がそう呼んでくれるのは、
もう二度とないんだ。
.
胸が痛くて、何か一言でも発すれば、
涙が出そうで。
泣かないように唇を噛むけど、痛くて…
.
「…っ。」
.
上手く息が吸えない。
誰か、助けて…
.
涼介「…ふざけんな。」
***
916人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まりも | 作成日時:2020年2月22日 22時