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***
慧「前から思ってたけど山田くんの肌綺麗だねぇ。」
涼介「そうっすかぁ?」
裕翔「ほんと!モチモチしてる。」
.
食べ物や飲み物が減っていく。
正直怖い人達と思ってたけど
和気藹々とした雰囲気にホッとした。
.
「お手洗い行ってきます。」
光「ほーい。」
.
八乙女先輩に断りを入れ、お手洗いに向かう。
.
「うん、うん…」
.
途中、誰かの声が聞こえた。
ガヤガヤした喧騒から背を向け、
携帯を耳に当てている。
顔は見えないけど何故かその人が気になって…
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「…じゃ、またあとで。」
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電話を切って、その人が顔を上げた。
目が合った瞬間…
その人は私を見て固まった。
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「A…?」
.
左耳にピアス。
でもくりくりの大きな瞳は変わってない。
この二年間蓋をし続けてきた心の奥。
一番深いところの感情が揺さぶる。
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「…っ。」
会いたかった。
ずっと会いたかった…
.
「…っ、だい…」
「大貴!」
.
彼の名前を呼ぼうとした時、誰かと声が重なって、
ピタリと足が止まる。
その声は、聞いたことがある声だった。
その子は、先週会ったばかりだった。
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「遅くなってごめんね。」
大貴「……いや、それより一人で来たの?」
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大貴の手がその子の黒髪に触れ
彼女は嬉しそうに笑う。
.
大貴「迎えに行くって言ったのに…」
「早く会いたかったんだもん。」
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楽しそうに笑う二人の会話が
右から左に流れていく。
大貴の骨ばった手が彼女の頬に触れるのを
私は目の前で見た。
.
大貴「でも次は一人で出歩くなよ。
……優雪。」
.
よくあるおとぎ話。
毒林檎を食べたお姫様は王子様のキスで目覚め
最後は結ばれる…
そんなありきたりなハッピーエンド、
今になって思う。
“毒林檎を作った魔女はどうなるか”
.
白雪姫は私じゃなかった。
白井優雪…彼女が白雪姫だった。
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そして私は…
王子様に捨てられ、毒林檎を作る魔女だった。
***
移行しました (。_。*)
続きはこちら毒林檎のつくりかた2
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作者名:まりも | 作成日時:2020年1月2日 21時