39 ページ39
***
それから、色んなところに
連れてってもらった。
大貴とたくさん遊んだ。
大貴とたくさん笑った…
.
「お世話になりました。」
.
駅のホーム。
向き合う私たち。
行く時より重くなった荷物を持って
大貴に頭を下げる。
あっという間の夏だった。
.
大貴「忘れ物ない?」
「た、ぶん…大丈夫。」
大貴「多分?ま、あったら
次来たときに渡せばいいか。」
.
新幹線が発車するまであと少し…
“次に来たとき”って言ってもらえて
嬉しかった。
.
大貴「今度会えるのは冬休みかも。」
「まだまだ先だね。」
大貴「今度は俺が行くから。」
「うん、待ってる。」
.
小指と小指が触れて指切りげんまん。
なんだか照れくさくて二人で笑った。
.
“7番線××行き、まもなく発車します…”
アナウンスが鳴り、大貴から離れる。
あと4ヶ月は会えないのか…
.
大貴「あ、Aこれ!」
.
新幹線に乗り込もうとした時、
大貴に呼ばれて振り返る。
手のひらに乗せられたのは
いつももらっていた林檎のあめ玉…
.
「大貴って、何でいつも林檎なの?」
大貴「んー、Aってりんご!って感じだから?」
「ふふ、なにそれ。」
.
林檎味のあめ玉を受け取る。
変わらない味…
甘くて美味しい。
.
大貴「じゃあまた!」
「うん!」
.
新幹線が走り出して、大貴が見えなくなるまで
私は手を振っていた。
4ヶ月後、会えるのを楽しみにして。
.
だけど、約束の日。
大貴は来なかった。
.
“別れてほしい”
そのメッセージを残して
私の前から姿を消した。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 737人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まりも
| 作成日時：2020年1月2日 21時
