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***
文化祭当日…
タピオカに手作りのお化け屋敷。
見慣れた校内には出店や看板が立ち並んでいて、
その非日常感に、胸の奥が高鳴った。
.
「どうしたの?」
「え?」
「誰か待ってる?」
「な、なんで?」
「はな、さっきからきょろきょろしてる。」
「あ…ちょっとね。」
.
大貴先輩、本当に来るのかな。
もうすぐ当番終わってしまうんだけど…
.
"楽しみにしてるね?"
.
先輩の言葉、信じて待ってて
いいのかな…
後輩に向けた、ただの気休めの
言葉かもしれないし。
.
「あ、Aじゃん。」
「え?」
.
不意に声をかけられ、顔を上げた。
.
ちょっと緩めのネクタイに明るい茶髪。
靴のラインの色を見ると同い年で
私を名前で呼ぶ数少ない人物…
.
「りょうすけ?」
涼介「え、ここAのクラスなの?」
「う、うん。」
.
へぇ、と教室を覗くのは
幼馴染で同級生の山田涼介。
.
幼馴染の私が言うのも何だけど、凄くイケメンで
彼も大貴先輩と同じく、とにかくモテる。
だって、隣にいる友人も
涼介を見て目がハートになってるもん。
.
「や、山田くん!良かったら食べて行って下さい!」
涼介「え、いいの?」
「はい!もうぜひ!」
.
頬を赤らめた友人が涼介の腕を掴み
中へと案内する。
あぁ…
涼介、彼女の餌食になっちゃった…
.
「おーい、次交代だぞ。」
「え?」
.
もうそんな時間……?
肩を叩かれ振り向くと、クラスメイトの男子が
怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
***
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作者名：まりも
| 作成日時：2020年1月2日 21時
