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大貴先輩と付き合えたことは、

奇跡だと思っている。









先輩と手を繋ぐ度に実感して

顔が崩れちゃうくらい。









でも、付き合い始めた頃の私には

こんな日が来るなんて、想像もしてなかった。









.









「お、おじゃまします…」

大貴「はーい。」









.









大貴先輩の模試の結果が出た日にご褒美ということで、

その足で先輩の家にきた。









.









もちろん、家の中には誰もいなくて、

タイミングが良いのか悪いのか。









先輩の家族は旅行に行ってるらしい。









.









大貴「どうぞ。」

「ありがとうございます…」









.









先輩の部屋に案内されて、ジュースをもらう。









.









「……っ…」









.









受け取ったあと、ほんの少し気まずくて、

私は先輩から視線を外すと、適当に視線を彷徨わせる。









.









机にはパソコンと赤本があって、

男の子って感じの部屋。









海外アーティストのCDがたくさんあって

ベッドの脇には積み重なった漫画本がたくさんあった。









.









大貴「Aさーん。」

「ひっ…!?」









.









ボーッとしてた時、耳たぶに噛み付くようにして

囁きを吹き込まれ。









大貴先輩は私の後ろに覆いかぶさるように

腰をおろした。









.









大貴「ひっ!…ってなによ、ひっって。」

「だっ…びっくりしたから!」









大貴「これからもっと凄いことするのに?」

「え…うわぁ!?」









.









先輩が私の脇を抱えてベッドに寝かせられる。

軽々と持ち上げられて、されるがまま。







.









「あ、あの…」

大貴「A…」









「……っ。」









.









子犬みたいな顔とは不釣り合いの声で

名前を呼ばれる。









.









トクトク、トクトク……

心臓の音が、うるさい。









くるのかな。

このまま、しちゃうのかな…









覆い被さってくる先輩の顔を手で押したら、

とっても怖い顔で見下ろされて…









.









「んぅ!?」









.









強引に頭を引き寄せられ、無意識に目を閉じた。









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作者名:まりも | 作成日時:2020年1月2日 21時

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