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ただ毎日、意味もなく学校に行って、場地たちとつるんで、機械みたいな母さんにニコニコ話しかけて、放課後はAの手伝いに来て、笑って、睨み合って、また笑って。
柄にもなく、幸せだって思った。
＿＿＿無機質な生活の中にあるそんな幸せが崩れたのは、いつだったか。
多分一番最初は、子ども食堂で料理を担当してたじーさんが死んだこと。
本当に突然だったらしく、A自身も数日はずっと放心状態だった。
前に、Aに家のことを聞いた。
オレの家のことは色々知ってんだから、そっちも教えてくれていーじゃん、って。
そしたら、少しの間言いにくそうにして、けれどすぐにAは意を決したようにポツポツと話し始めてくれた。
Aが話し始めたタイミングで、料理を運んできたじーさんは気を遣う様に奥の厨房に消えていった。
正真正銘、辺りはオレとAの二人っきりになった。
『……元々は、ウチも普通の家庭だったと思うんだよ。母さんは調理師で、父さんは会社員で。兄弟は居なかったから結構甘やかされてた気がする。まぁ、もう殆ど覚えてないけど。
ウチが変わったのは母さんが病気で死んでから。ショックが大きすぎた父さんは毎日酒を浴びるように飲んで、平然とした顔で家に帰ってくる私を心底嫌ってた。母さんじゃなくてオマエが死ねば良かったのにって。
でもそんなんでも父親だからさ、殴られても罵倒されても嫌いになれなかったんだよ。いつか目を覚ましてくれるんじゃないかって。そんなの全部、私の勝手な妄想だったけど』
食卓に並べられたカレーライスから湯気が立ち上る。
スプーンを握りしめるAの顔から表情が消えた瞬間を、オレは見逃さなかった。
「ある日、」感情を失った無機質な声が、なんとか言葉を絞り出していた。
何気なく踏み入れてしまったここは、Aにとって、誰にも見られたくなかった場所だったのかもしれない。
『……中学から帰ってきたら、突然、アイツに襲われた。その瞬間、辛うじて持ってた父親への感情が、全部パーって無くなって。なんで私こんなクズと一緒に暮らしてんだろうって、兎に角気持ち悪かった。
でも逃げれなかった。逃げて殺されたらどうしようって、あの時はまだ弱かったから。
そしたら、真一郎が「今すぐ逃げろ」って喝入れてくれてさ。なんとか母さんの方のじいちゃん家……つまり、ここに逃げてこれた』
「だからアイツは大切な親友」と、最後にAは笑った。
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黒崎結利加(仮名) - うぅ、、、な、涙がぁ、、、何回読み返したのだろうか。この作品に出会えてよかったです‼主様、これからも頑張ってください！応援してます‼(え、イラストうますぎません？教えてください‼師ショー((殴) (2023年4月6日 3時) (
レス) @page34 id: 5c1ce3d064 (このIDを非表示/違反報告)
Naifu - 凄い作品ですね！歳離れてるのってなんか変な感じで終わるのかな…なんて失礼なこと思ってたんですけど、まとまりとかお互いの関係的なものがよくて夢中になって読みました！本当になんか心があったまりました。これからも頑張って！無塩バターさんのこと応援してます！ (2021年12月6日 20時) (レス) @page33 id: 1c04a135ec (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - 姫乃さん» 小説の方もイラストの方も褒めてくださりありがとうございます！感じたことを言葉に表すのって難しいので、なんかいいなと思って頂けただけでも嬉しいです！確かに、作者自身もよく逃げ出したいと思うことがあるので、自然と案が浮かんだのかもしれないです（笑） (2021年11月21日 17時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - とっても素敵な小説でした!!その上絵もお上手で!!なんて言うか上手く言えないけどなんかいいなって思える素敵な作品でした!!主様が平日更新が忙しい。ということを言ってらっしゃってそんな主様だから書けた作品なのかななんて思ったり。素敵な作品でした!! (2021年11月19日 1時) (レス) @page35 id: 1356d63b83 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ミルクレープさん» コメントありがとうございます！きっと彼らの絆はこの先一生切れることなく繋がっていくんだろうと思います。こういう少し歪だけど何よりも綺麗な絆が大好きなので、そう言っていただけて嬉しいです！文才はすずめの涙程しかないのでご勘弁を（笑） (2021年10月31日 20時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
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