だって彼らで遊びたい！【東卍】

＿ ページ12

．







■乾 青宗


「Aって、普段こんな仕事してるのか」


今までは彼女の仕事になんて興味無かった乾だが、ドラケンに「この前のドラマ、Aちゃん出てたぞ」と言われてなんとなく見てしまう。画面に映るAはいつも見ている彼女とは違って、しかもキスまでしてるから、なんて言ったらいいか分からない。取り敢えず心のモヤモヤを晴らすために彼女の家に行った彼がAに抱きつくまで、あと三十分。





■灰谷 蘭


「今すぐこの仕事やめろ〜？」


じゃなきゃコイツ殺すぞー、と電話越しに言われてすぐ様なんのことか察するA。このままではキスをした相手の俳優が魚の餌になってしまう。それは色々と申し訳ないので「今日中に辞めるから殺さないで」とAが言うと、相手の男を庇われたみたいで更にムカつく彼だから、もうどうにもならない。後日男側が俳優を辞めていて、何かを悟ったAだった。





■灰谷 竜胆


「なにオレ以外とキスして嬉しそうにしてんだよ」


リアルタイムでドラマを見ていた彼から電話がかかってきたかと思えば、そんな言いがかりをつけられる。そういう演技なんですと貴方が説明すれば渋々納得するから、兄の100倍はマシ。「なんでも良いけど、今日は早く帰って来いよ。ムカつくから」嫉妬してる事を上手く伝えられない彼に、仕事中だったAの顔にも笑顔が浮ぶ。すぐ帰るよ。





■三途 春千夜


「だから言っただろォ？こんな仕事、さっさとやめとけってな」


こういう時だけ仕事が早いのはなんなのか。貴方が止める間も無く、ドラマが放送された次の日には殺されていた相手の俳優。血塗れの彼の手がAの頬を愛おしそうに撫でる。「オマエは春ちゃんとだけキスしときゃあ良いんだよ」クスリでラリっている三途の焦点は合っていない。彼からは逃れなさそうだ、と貴方はどこか冷静に思った。








．

【夜中に電話をかけてみた】→←＿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す