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ポイ、ポイ、と適当な服を投げられ、頭に乗ったそれを腕に抱える。
いくら万次郎が他と比べて小さめとはいえ、Aからすればそれなりに大きい。
普通のTシャツでもワンピースくらいにはなることを確認し、二人は浴室に向かった。その時喧嘩中のエマとすれ違ったが、二人は一切の言葉を交わさなかった。
脱衣所でAの着ていたシャツを脱がすと、布切れで隠れていた傷が露わになった。
切り傷に火傷に打撲痕。喧嘩で見慣れているはずのソレらが、今は見るだけでモヤモヤとする。コイツの親ぶん殴っても多分怒られねーよな。
「いったそー」
「……」
「こーゆう時ってどうすんだっけ。まぁ良いや」
三ツ谷が簡易で施したガーゼもゴミ箱に投げ入れ、Aの背中を押しながら二人でお風呂のタイルに足をつける。すりガラスには二人分の影が浮かび上がった。
Aの頭や体は万次郎が丁寧に洗った。
時々力加減を誤ったりつい真新しい傷口に触れたりしてAを泣かせたが、それでも彼にしては頑張った方で。ピチャピチャと湯船で遊ぶAを見た彼は満足げに胸を張った。一仕事終えたぜ。
風呂から出た万次郎はAの頭を拭きながら三ツ谷に電話をかけた。
繋がったガラケーを耳と肩で挟み、両手でわしゃわしゃと傷んだ頭をかき混ぜる。
「三ツ谷ァ、Aの傷ってどうすりゃ良いの？」
《あー、マイキーん家なら軟膏とか置いてるだろ。それ傷口に塗って、あれば包帯とか巻いてやれば良いと思う。頬のアザはどうしようもないから、保冷剤かなんか当ててやって》
「えー、めんどくさ」
《おいおい、それ間違っても本人の前で言うなよ。子どもってそういうの敏感なんだからな》
「マジで？ごめんA。さっきのめっちゃウソ」
《言ってたのかよっ》
なんだかんだちゃんと三ツ谷の言う通りに動き、見違えるようになったAにウンウンと頷く万次郎。ちらほら見える傷はあれだが、身だしなみを整えるだけで随分と変わるものである。
助言をくれた三ツ谷にも一応『ウチの子大きくなりました♡』のノリで写真を送っておいた。
すぐに来る返信にニンマリと笑う。可愛いだろ、オレが見つけた。
最後の仕上げに、綺麗になったAの体をくるりと半回転。普段自らの前髪を止めているヘアゴムを咥えたまま、Aの髪を耳の高さに纏め、咥えていたソレでキュッと縛る。そしてもう一度半回転。
「やっぱオマエ可愛いじゃん」
オレ天才、と少年は年相応に笑った。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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