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「Aちゃんって言うんスね！俺は松野千冬！よろしくな？」
「……」
「…………あれ？」
「あー、ソイツ喋れねぇんだよ。シーインセイシッセイショウ？とか言うやつらしいぜ」
高い高いの体制で自己紹介をするも、返答がない事に困惑する千冬。するとそれに気づいた場地が口を挟んだ。
場地の頭の中では変換が追い付いていないが、千冬の中ではすぐに変換が出来た。心因性失声症。ストレスによって声が出なくなる病気、とこの前保健の先生が言っていた。何故その話題になったのかは不明だが。
喋れないことを知っても千冬の表情は笑顔のままだった。「心配いらねぇよAちゃん！場地さんやマイキー君達と一緒に居れば、きっとその内喋れるようになってっから！」と。
喋れなくて親に責められてきたAからすれば、千冬の言葉は不思議でならなかった。千冬に限らず、ずっと不思議だった。なんで誰も、自分を怒らないのだろう。
「……ぁ……ぅ…………ぁ……」
「え？」
「あ？」
「……場地さん、今、Aちゃん喋りませんでした？」
「はぁあ？！おい、千冬！今すぐスイッチの在処教えやがれ！！」
「いやいやいや！スイッチなんてあるわけないじゃないスか！！」
「じゃあなんで喋ったんだよ？！？」
「そんなの俺も知りてぇっスよ！！！」
場地と言い争う(？)千冬の腕の中で、Aは動きに合わせて揺れる千冬の金髪をいじる。小さな指先では何も作れなかったものの、本人は満足そうなので別に問題はないのだろう。
「……チビのやつ、何つってた？」
「ちょっとそこまでは……なぁAちゃん、もっかいさっきのやってくれよ」
「？……ぁ、ぃぁ……ぅ……」
「はぁ？小さすぎて聞こえねーよバカか！」
千冬に言われてもう一度声を出そうと頑張るAだが、如何せん数年は声を出していない。
突然「仕事だ！」と叩き起こされた声帯が思うように言うことを聞くはずがなく、微かに聞こえたのは掠れた母音だけだった。
ブチギレる場地が千冬にとってはいつも通りでも、Aにとってはいつも通りではない。
怒られたと思ったAが泣きそうな顔で俯くと、流石の千冬も「場地さん！」と怒りを露わにする。これには場地も素直に謝った。絵面だけで言えば子どもを泣かせた父親を叱る母親である。
「悪かったって、気ぃつけるからんな睨むなよ……」
「言いましたからね！！」
「ったくよぉ……オマエはチビの母ちゃんかよ……」
拗ねてもダメです、と千冬は一喝した。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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