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「Aッ？！大丈夫か？！？」
「タカちゃんどうしよ。結構派手にいっちゃったよ」
八戒の言葉通り顔面から見事着地したAは、自分でも状況が分かっていないようで、キョトンとした顔で辺りを見渡していた。
その額には痛々しい擦り傷が刻まれており、傍にいたルナとマナも「お兄ちゃん！Aちゃん怪我してる！」「ケガしてるー！」と言って心配そうな顔を浮かべた。
そんな中、漸く事態に気付いた万次郎が、地面に座り込んだAの元に駆け寄る。
ズボンが汚れることも厭わず膝をつくと、彼はすぐ様ブロンドの前髪を退けて傷口を確認した。子どもなら誰しもがつけるそれが、彼にとってはひどく怖かった。
＿＿＿またAにトラウマを作ってしまったらどうしよう。
「A？大丈夫か？痛いか？ごめん、オレが目ェ離してたから」
「……ん、これ」
「は？」
焦る万次郎とは対照的に、Aはいたって普通の表情で、手に持っていた“何か”を差し出した。
突然のことに困惑しながらも、彼は確かに“何か”を受け取る。それから、覆い被さっていたAの手が退けられて、息を呑んだ。
さっき、自分の方へ駆け出したAの目的が、一瞬にして分かったから。
「＿＿＿＿＿＿四つ葉の、クローバー……？これ、オレにくれんの？ほんとに？」
「ん。まんじろ、に、あげるの」
「良いの？これ、めちゃくちゃレアなんだぜ？」
「まんじろ、うれしい？」
「そりゃ、めっちゃ嬉しいけど……」
「まんじろ、が、うれしいの、Aも、うれしい。だから、あげる」
Aの言葉に、万次郎の目が見開かれる。
同時に、彼の胸に言いようのない“何か”が渦巻いた。
兄を失った時に感じたどす黒い“何か”ではない。寧ろそれとは正反対な、愛おしさに似た何か。
無性に目の前の小さな存在を抱きしめたくて堪らなくて、万次郎は感情の赴くままにAを抱きしめた。
細くて小さくて、力加減を誤れば簡単に折れてしまいそうな、そんな脆い体だった。
＿＿＿＿＿＿こんな弱っちい奴、オレが守ってあげなきゃいけねェのに。
いつだって守られてんのは、オレの方だ。
「ありがと、A。一生大切にする」
「んふふ。まんじろ、だぁじする？」
「する。チョーする。命かけてでも守る」
二人で抱き合う万次郎とA。そこにルナとマナも加わり、最後にはみんなで抱きしめ合った、ある日の昼下がり。
因みに後日、Aから貰った四つ葉のクローバーは栞になったらしい。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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