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やがて三人の座るテーブルにお子様ランチのプレートが二枚とナポリタンが運ばれてきた。
ドラケンの誘導で店員が料理を並べていくと、途端マイキーの顔が曇る。その理由はもちろん、ご飯に刺さっているはずの“あれ”が無いからである。
しかしその横ではキョトン顔のAがじっとお子様ランチを見つめていた。
一枚の皿の上に無造作に食べ物を並べられることはあっても、こんなにも一つ一つの食品が綺麗に並べられた料理は知らない。心なしか、お子様ランチを見つめる瞳はキラキラと無邪気に輝いている様にも見えた。
あまりに対照的な表情を浮かべる正面の二人に、ドラケンは苦笑する。
今この瞬間だけで言えば、純粋に料理に感動するAの方が何倍も大人のようだ。
「はーやってらんねぇ！コレ旗立ってねぇじゃん！オレはお子様ランチの旗にテンション上がんの！」
「も、申し訳御座いません！すぐに別の者が旗を持ってきますので、」
「もう要らねー」
お子様ランチと言えばな旗の不在に、完全に機嫌を損ねてしまったマイキー。
店員もまさか旗が無いことを怒られるとは思わず、オロオロと冷や汗を垂れ流す。ヘルプヘルプと無線に呼びかける姿は可哀想としか言いようがない。
こうなってしまった彼の機嫌を直せるのはもう一人しか居ない。
ドラケンは素早く胸ポケットから一本の旗を取り出すと、「ほらマイキー旗だぞー」とそれをライスの上に立てて見せた。
思わぬ救いの手に危うく店員が泣きかけたのは言うまでもない。
「わー！！！流石ケンチン！！」
「で、では私はこれで」
「おう。ありがとな」
店員への感謝もしっかり忘れないドラケンは、光の速さで裏に戻っていった店員を心底哀れみながら、旗一つでキャッキャッと喜ぶ総長の姿に「今日も平和だなァ」とぼんやり思う。
愛すべき旗も帰ってきたことで満足したのか、マイキーはガツガツと育ち盛りの中学生には些か少ないように感じるお子様ランチをかき込む。
そして任務をまた一つ達成したドラケンの瞳が漸くAに向いた。
「ほらA。オマエにも旗だぞ。コレがオレらの住んでる日本の国旗だ」
「……」
ドラケンの言うことはイマイチ理解できないが、「早く食べねぇと冷めるぞ」と言われて、Aは恐る恐るスプーンを手に取る。
佐野家にやってきた当初よりもマシになったスプーンの持ち方を見て、二人は微笑む。
子どもは一日一日が成長の連続だ。その事をここ数ヶ月で実感した二人にとっては、些細な成長にさえも嬉しさを感じた。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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