62. ページ12
.
吹っ切れたと言ってハニカムAだったけど、やっぱりそんな彼女の笑顔をこれ以上曇らせないために何か私にできる事はないかと、酔った頭で考える
夜も老け、お店を出る頃には22時を過ぎようとしていた。
しかし、顔を見合わせるなり『飲み足りないね』「右に同じく」などと会話をした私達は、自然とその足を一人暮らしのAの家へと向かわせていた。
途中コンビニで缶ビールを何本か購入して、歩きながらそれを片手に飲み歩いた。なんともはしたない事をしているんだろうと思いながらも、いい感じに酔っている私達はすれ違う人にどう見られようと気にする素振りすら見せずに、たまにはこんなのもいいね、なんて笑いあった
「…………ん？」
買い物袋を片手にぶら下げて、彼女のマンションの前に到着すると
その入り口付近で、見るからに怪しい人影が３体ほど屯っているのが伺えて、途端に足を急停止させた
「何？あの人達」
『ふふ。ギュリってば怖いの？かーわいっ』
こんな時に限って滅多に酔わないAが目をトロンとさせているから本当にタイミングが悪い。
だってこんなフラフラな可愛い女、猿みたいに飢えた男は絶対ほっとかないし
なんならあそこにいる３人組はどうやら全員男みたいだし。
「ちょっと、しっかりしなよ」
『やだ〜しっかりしないもーん」
「はぁ…仕方ないなぁ…あんたの部屋の鍵貸して」
私にしがみつきながらフニャンフニャンになるAを、半ば強引に引きずりながら意を決して入り口の方へと足を進ませた
.
作戦はこうだ
まずあそこに居る男性３人を何とか突破して、万が一追いかけられたとしても家の中に入ってしまえばこっちのもんだ。
一人暮らしをするなら3階以上に住めと言った私の助言を無視して、楽だからという理由を優先して一階に住む事を選んだAに、この時ばかりは感謝する
そうしてまさに今、その怪しげな３人の前を通りがかったその時
「あ、」
「おかえり〜」
ほら来た、やっぱり話しかけてきた
しかも新手のナンパなのか、まるで知り合いみたいに絡んでくるから一瞬目を合わせそうになってしまったではないか
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
run(プロフ) - みんみんさん» コメントありがとうございます(*^^*)みんみん様の幸せに少しでも貢献できてとても嬉しいです（ ; ; ）♡また機会がありましたらテイルさんのお話しを書きたいと思ってるので、その時はまたよろしくお願いします♡ (2023年2月20日 23時) (
レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
みんみん(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎話とても楽しく読ませていただきました！イリチルの兄組好きなのでテイルさんのお話が読めて幸せでした。 (2023年2月19日 4時) (レス) @page25 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
run(プロフ) - Kikiさん» Kikiさん！実は私、Kikiさんの書くお話しが大好きなんです（ ; ; ）♡コメントいただきとても光栄です！これからもどうぞ楽しんでくださいね♩ (2023年1月23日 17時) (レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
Kiki(プロフ) - テイルペンなので素敵なお話読めて嬉しいです(;o;)これからも楽しみにしてます〜！ (2023年1月23日 15時) (レス) id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
run(プロフ) - あささん» コメントありがとうございます！そしてこれからも楽しんで下さいね(*^^*) (2023年1月22日 1時) (レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：run | 作成日時：2023年1月18日 2時
