. ページ6
.
春から同じ高校に通っていたにも関わらず、不思議と校舎内で一度も顔を合わせる事がなかった私達
毎度毎度あの駄菓子屋で会うたびに「本当に入学したの？」と本気で怪しんでくるジョンウの事がいい加減面倒になって来ていたのだけど。
「これ、お前に渡すように親から頼まれたから持ってきた」
「マーク、この状況見て分からない？コイツ未だに俺の口が大きいとか悪口言ってくるんだよ、絶対捕まえて背負い投げしてやる」
「人待たせてるから早く受け取ってよ」
私の知らない女の人をコイツと呼ぶジョンウが私の知るキム・ジョンウではないように見えてなんだか気に食わない。胸の奥がズキンと痛むのも謎だ
「分かったよ、今行く」
遠目からでも分かる程可愛らしい容姿をしたその女の人から一切目を離すことなくマークと会話をしていた彼が、やっとこちらに視線を向ける
.
「…………あれ？A？」
マークの隣にポツンと立つ私と目があった瞬間に、私の名前を呼びながらギュッと顔を強ばらせたジョンウが急足でこちらへ向かって来た
その剣幕があまりにも狂気じみていて、咄嗟にマークの後ろに隠れてその背中にしがみ付いた。
「ん？どうしたのA」
「マーク、その後ろに隠れてる子引きずり出して」
何故か怒ってるような態度をしたジョンウから必死に身を隠す
そもそも何で私がこんなビクビクしなきゃいけないのか不思議で堪らないが、とにかくこの状況は深刻だ
「A、まじでなにしたの？」
奇妙な行動をする私に痺れを切らしたのはマークで、後ろにいる私を見ようとしてか横に一歩体を動かしたマークと目が合う
目の前にあった大きな盾がなくなり私の向かいには眉間に皺を寄せてズボンの両ポケットに手を突っ込んで気怠く立つジョンウが現れてしまった
.
『ヤ、ヤッホー…』
そんな彼に恐れを成して震える声を必死で抑えながら平静を装い、苦笑いをした
.
.
「なんだ、ちゃんと学校来てたんだね」
あ…いつものジョンウだ、と訳の分からない彼の態度に安堵してしまったのがなんだかやるせ無い。先程までの渋い表情はなんだったのか、今目の前にいるジョンウはそれを浮かばせないほど溌剌とした笑顔を私に向けている。
そして私は気付く。彼の思い他人が誰なのかを
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 568人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
run(プロフ) - おもちさん» こちらこそ、そんな素敵なコメントをして下さりありがとうございます🥹🙏💓 (9月22日 16時) (
レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 心温まる素敵なお話ありがとうございました😌💚 (9月15日 19時) (レス) @page49 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
run(プロフ) - もちこさん» もちこさん！とても素敵で感動的なコメントありがとうございます😭めちゃくちゃ嬉しいです〜（ ; ; ）❤️これからももっともっといい作品を作っていきたいと思ってるので、是非よろしくです🙇♂️💙 (9月13日 9時) (レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 文字数の関係からいくつもコメントしてしまい失礼致しました💦 今後もrunさんの作品を楽しみに応援しております.......🙏🏻💚 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 登場人物全員が魅力満点で、ずっとこの世界を眺めていたいなあと噛み締めております😂連載お疲れ様でした、本当に素敵な作品をありがとうございます！ずっと心に残り続ける大好きな作品です😭 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：run | 作成日時：2023年1月23日 16時
