. ページ15
.
本の会計を済ませて店を後にした私達
話題は移り、夏休み中にやりそびれた肝試し大会をいつやるかと言う話になっていた。
当初の予定だと同級生の８人全員集めて行う予定だったが、それだと少し味気ないという結論に至り１つ下の中3の子ら何人かも誘おうということに。
「ドンヒョクなんか呼んだらすぐに勝負事に持ち込まれるよ」
『あはは(笑)楽しそう』
「あいつと同じチームになればね。敵チームになったらマジでイラつくだけ」
『そんな事よりロンちゃんは来てくれるかな』
「本当にAはロンジュンの事好きだよな。ドンヒョクが泣くよ」
去年私が中3の頃、中2の後輩の子何人かとマークを通して仲良くなった。その中でも特にロンジュンは私のお気に入り。
あの天使みたいな笑顔は見るたびに凄く癒されるし、の割に意外と漢気あって年下ながらに頼りになるし。そんなロンちゃんは私に会うといつも笑顔で「ヌナ、今日も寝癖ついてますよ」と言って頭を撫でてくれる。「ヌナって本当にバカだ(笑)」と言って毎度毎度揶揄ってくるドンヒョクとはえらい違いなのだ。
「ジェノとジェミンも呼ばないとね」
『それって結局怖がりなマークが仲良し4人組の後輩を呼びつけて自分の身を守りたいだけなんじゃ…』
「違うわ！Aと仲良い後輩はあいつら4人ぐらいだろうから気を利かせて…」
『えーそれならジョンウも呼んでよ。どーせこの島の人はみんな顔見知りなんでしょ？』
「………………」
ここで、忙しなく続いていたマークと私の会話はピタリ止まる。何故なら私の発言を最後に口を閉ざしてしまったマークこそに問題があって、不思議に思って様子を伺うようにその顔を覗き込めば、唇を噛みめて悔しそうな表情を浮かべるマークが目に飛び込んでくる
『え…どうしたの？』
「ダメ、ジョンウヒョンは呼ばない」
『あ、え？そ、そっか』
「…………だから……」
『え？聞こえない、なに？』
ブツブツと小さな声で何かを口走るマーク。聞き取ることが出来なかった私は、どうみても様子がおかしい彼の口元にほんの少し耳を近づけた
.
「だから、会わせたくなかったんだ」
.
幼い私なんかには、勝手に大人っぽくなっていくマークのその言葉の意味を理解することが出来なくて。
ただその切ない色をした掠れた声が、苦しくて辛いのだと言わんばかりに私の呑気な心をぎゅうっと凝縮させ、混乱させる
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 568人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
run(プロフ) - おもちさん» こちらこそ、そんな素敵なコメントをして下さりありがとうございます🥹🙏💓 (9月22日 16時) (
レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 心温まる素敵なお話ありがとうございました😌💚 (9月15日 19時) (レス) @page49 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
run(プロフ) - もちこさん» もちこさん！とても素敵で感動的なコメントありがとうございます😭めちゃくちゃ嬉しいです〜（ ; ; ）❤️これからももっともっといい作品を作っていきたいと思ってるので、是非よろしくです🙇♂️💙 (9月13日 9時) (レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 文字数の関係からいくつもコメントしてしまい失礼致しました💦 今後もrunさんの作品を楽しみに応援しております.......🙏🏻💚 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 登場人物全員が魅力満点で、ずっとこの世界を眺めていたいなあと噛み締めております😂連載お疲れ様でした、本当に素敵な作品をありがとうございます！ずっと心に残り続ける大好きな作品です😭 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：run | 作成日時：2023年1月23日 16時
