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『あ、あの…』
「あれ？もしかして駄菓子屋に用事だった？」
『はい、祖母に毛糸を買うよう頼まれて…』
平静を装ったが、声は自分でも分かるほどうわずっていた。私は別に人見知りな性格でもなければ会話下手でも無い。
しかし目の前の彼から発せられる不思議な雰囲気に奇妙な焦燥に駆り立てられて上手く言葉を続けられない私はなんだからしくないと思えるほど
「今日うちの親出掛けてて店閉めてるんだよなぁ」
『じゃあ帰ります』
「まぁまぁそんな焦らずにそこに座ってさ…」
そう言って謎に包まれた彼にボロボロの古びたベンチに座るよう諭される。小さく頷いた私は「ちょっと待ってて」と言って駄菓子屋の裏の方へと走っていく後ろ姿を見つめた後、そのベンチへと近付いて遠慮なくお尻を付けた
のも束の間。ギコォォという渋い音が鳴って大きく傾いたそれに対して『うわっ…』となんとも女らしくない声を無意識に発しながら急いで立ち上がる。そして思う、絶対座りたくない、と。
「おまたせ〜ってあれ？なんで立ってるの？」
そして、走りながら戻ってきた彼の上下に揺らした肩を見ながら『なんか落ち着かなくて』と下手な言い訳をしながら愛想笑いをした
そんな私を確認するなりため息を吐いて「じゃあ渡したいものあるから座って」と言った彼は、紙袋のようなものを握りしめていた。
躊躇う事なくギィィと音を立ててベンチへ腰を下ろした彼は、人一人分が座れるスペースを残しながらそこを軽く叩いて私を見る
ここで私が怖くて座りたいくないなどと言ってしまったら失礼な気がして、今一度そこへゆっくりと腰を下ろしてみた。
あんなに壊れそうだったそのベンチは意外と私と彼の重圧に耐えてくれたようだが、今にも壊れてしまいそうなのには変わりなくソワソワした気持ちは拭えない
「これ、後で親には話しておくから！」
落ち着かない私に元気よく言葉を発した彼は、紙袋から何かを取り出した。不思議に思いながら目をやれば、色とりどりの毛糸を抱えて「何色がいい？」と聞いてくる子犬のような少年。驚きつつも何処か楽しそうな彼に『み、みどり…』と声を落としたのは、そのあまりにも綺麗な笑顔を曇らせてはいけないような気がしたからで。
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run(プロフ) - おもちさん» こちらこそ、そんな素敵なコメントをして下さりありがとうございます🥹🙏💓 (9月22日 16時) (
レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 心温まる素敵なお話ありがとうございました😌💚 (9月15日 19時) (レス) @page49 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
run(プロフ) - もちこさん» もちこさん！とても素敵で感動的なコメントありがとうございます😭めちゃくちゃ嬉しいです〜（ ; ; ）❤️これからももっともっといい作品を作っていきたいと思ってるので、是非よろしくです🙇♂️💙 (9月13日 9時) (レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 文字数の関係からいくつもコメントしてしまい失礼致しました💦 今後もrunさんの作品を楽しみに応援しております.......🙏🏻💚 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 登場人物全員が魅力満点で、ずっとこの世界を眺めていたいなあと噛み締めております😂連載お疲れ様でした、本当に素敵な作品をありがとうございます！ずっと心に残り続ける大好きな作品です😭 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：run | 作成日時：2023年1月23日 16時
