春（１） ページ1
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何処へ行っても聞こえてくる波の音
20時には閉店するコンビニ
昼間は見た事のない鳥が空を飛び、夜になると途端に始まる蛙の合唱に耳を塞ぎたくなる
ショッピング街など皆無で、あるのは100メートルほどしかない商店街
ここは、私が生まれ育ったソウルからだいぶ離れた場所にある小さな島
引っ越して来たばかりの頃はこの島の悪いところばかりが目に付いていた
しかし
夜空を埋め尽くす無数の星達
新鮮で美味しい魚介類
情に熱く温厚で、とても優しい島の人々
住めば都
とまで言い切る事は出来ないけど空気が綺麗なこの島に対して以前よりも確実に愛着が湧いて来ているのは事実だ
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「あれ、もう1年経つんじゃない？」
『んーそうだっけ？』
そしてたった今私の隣で時間の早さがもたらす怖さを突き付けて来たのは、生まれた時からこの島に住むと言う少年だ
駄菓子屋の前に置いてある木で作られたボロボロのこのベンチは、初めて座った時今にも壊れそうな音を立てながら不安定にぐらついていた
当時の私は此処に腰を下ろす事を邪念にしてしまうぐらいには都会っ子を気取っていたのだけど。一年も経てば何も気にする事なくドシンと全体重をここに費やす事も出来るようになるし、このように呑気に某アイスを頬張る事だって可能になる
「あーあ。お腹すいた」
『え、今アイス食べてたじゃん』
「こんなの、俺の中で眠ってた食欲をさらに奮い立たせるだけだってば」
意味のわからない事を言って項垂れる彼は恐らく"物足りなかった"。ただそう言いたかっただけなのだろう。やっぱり一年も経てば意味不明な彼の言動、行動すらも私の中にある彼専用の翻訳機で正しい言語に翻訳して理解する事も出来てしまうんだなぁなんて。
あぁ、本当に慣れって怖いね
あんなに帰りたいと思っていたソウルの事も今じゃ全く考えなくなったし、ずっと仲良くしていたあの子やあの子も手紙書くねなどと言い合い感動的な別れをしたにも関わらず半年前からパタリと音沙汰なし。
この島にやって来たのなんてつい最近の出来事のように思っていたけど。若さ故なのか、はたまた私の適応能力が優れているからなのか。
気付かぬうちにたった短い歳月の中で、どうやら私はすっかりこの島の呪いに掛かってしまったようだ
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run(プロフ) - おもちさん» こちらこそ、そんな素敵なコメントをして下さりありがとうございます🥹🙏💓 (9月22日 16時) (
レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 心温まる素敵なお話ありがとうございました😌💚 (9月15日 19時) (レス) @page49 id: db91ee34e8 (このIDを非表示/違反報告)
run(プロフ) - もちこさん» もちこさん！とても素敵で感動的なコメントありがとうございます😭めちゃくちゃ嬉しいです〜（ ; ; ）❤️これからももっともっといい作品を作っていきたいと思ってるので、是非よろしくです🙇♂️💙 (9月13日 9時) (レス) id: 8f6ebbdacb (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 文字数の関係からいくつもコメントしてしまい失礼致しました💦 今後もrunさんの作品を楽しみに応援しております.......🙏🏻💚 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 登場人物全員が魅力満点で、ずっとこの世界を眺めていたいなあと噛み締めております😂連載お疲れ様でした、本当に素敵な作品をありがとうございます！ずっと心に残り続ける大好きな作品です😭 (8月21日 1時) (レス) id: fa93449f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：run | 作成日時：2023年1月23日 16時
