【pi】ムード壊すなって

ムードクラッシャー！ ページ14

翌日。ママの大きな鼻歌が聞こえ、それと同時にカーテンの隙間から日差しが入ってきた。いや日差し強すぎだろこんなん。
因みに昨日はファミレスで食べた後珍しくショッピが家まで送ってくれて、なんか悪いなあと思いながら帰還したところ、ママが酷く私の足を心配し病院に連れて行ってもらいました。病院の先生から貰った塗るお薬のお陰で、あまり痛みは感じられなかった。もしかしたら明日の朝には治ってるかもね！なんて言ってたけど、本当に今日の朝治ったわ。…現代ってすっげえな！！！

そうそう、どうやら体育祭はあと三日で始まるらしい。一か月ほど前に、丁度私が居眠りしてた時間に決めていたらしい。そんなことあるか？？？誰か起こしてくれるだろう。そう思っていたが、ショッピによると「学級委員の男子がその日休んでて、女子一人でやらせるのもなんだから…って黒瀬が一緒にやってたはずやけど。」らしい。くっそ黒瀬おめえ…可愛い顔してるくせに中身は真っ黒かよ。

水瀬くんのことだ、寝とるやつは起こさずに借り物競争でもやらせておこう的なノリだろう。そう思いショッピに私の出る種目を知ってるか？と聞いてみたら、案の定借り物競争でした〜〜はい、黒瀬くんには国語もう教えてあげません〜〜！
もしかしたら、何故借り物競争が邪険に扱われているのかわからない人がいるかもしれないから一応説明しておこう。

この高校に三年もいる人は知ってる。我ら宇ノ宮(うのみや)高校の借り物競争は、ただの嫌がらせであると。一部の先生が借り物競争のお題を書いてるらしいが、毎年ろくなお題がない。例えば高畑先生は「好きな人♡」だったり、科学教師は「学ランの第二ボタン」とか。高畑先生は顔面と可愛さと借り物競争安定ということで百歩譲って分かるが、学ランの第二ボタンとは…？学ラン着た人なら分かるが、第二ボタンはいやらしいような、いやらしくないような。そもそも宇ノ宮の制服ブレザーだから無理ゲーなんじゃ…。

そう思いながら寝間着から制服に着替える。
一階に降り顔を洗い、歯を丁寧に磨く。ふかふかのタオルで顔を拭き、自室からスクバを持ち出す。

リビングからはあま〜いいい香りがする、フレンチトーストかな？ガチャっとドアノブを捻ると、朝食を作っているママとネクタイを締めているパパがいた。
「おはよーパパ。」
「おはよう、もう朝ご飯はできてるよ」

パパが指をさした。その先にはママ特製のフレンチトースト。相変わらずうまそうだ。

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