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第三話 逃走 黒木side ページ5

「Aさんって呼んでもよろしいですか?これも何かの縁ですし」

「あ、僕もそう呼びたいです‼︎」

「はい、いいですよ〜じゃあ私は庄ちゃん彦ちゃんって呼びますね。短くて呼びやすい〜」


道中僕たちは意外にも気さくな彼女と打ち解け、会話に花を咲かせていた。後少しで学園に着く。そんな時。













「庄左ヱ門?」

と、名前を呼ばれた。

前を向くと五年ろ組で僕らと同じ学級委員長委員会の鉢屋三郎先輩と六年生の先輩方がいた。
そして、僕たちが足を止めると同時に刹那さんが引き攣ったような顔で言ってきた。

「ねえ、庄ちゃん彦ちゃん、もしかしてあなた達の住んでるところって忍術学園だったり…?」

「え…はい、そうですけど…」

そう肯定するとみるみる顔色を悪くしていくAさん

「そ、そう…あ!…私用事で行かなきゃいけないとこがあったの思い出しちゃって、すぐ行かなきゃ行けないんだったわ〜‼︎そう言うことだから失礼するわね〜‼︎」

彼女はそう言い捨てると僕らの静止の声も聞かずに走って行ってしまった。

すると直後に

「庄左エ門‼︎彦四郎‼︎無事か⁉︎どこも怪我してはいないか⁉︎」

「後は私たちが片付けよう‼︎お前達は学園に戻っていてくれ‼︎」

「天女め…蛆虫のように湧きやがって…」

僕らの心配とAさんへの殺意。このままでは彼女が死んでしまう。そう直感で感じた僕は


「先輩方お願いします。彼女を殺さないでください!」


と咄嗟に言ってしまっていた。


「まさか妖術に…⁉︎」

「今度は低学年を狙うつもりか⁉︎」

「とことん邪悪だな!」と口々に言う。

すると僕の言葉を後押しするように

「ち、違います!ま、まずは学園長先生に指示を仰ぐのが1番よろしいのではないのでしょうか…‼︎そ、それに天女様は同時に2人現れたことがありませんし、上手く捕まえておけばなにか謎が解けたりするかもしれません…‼︎」

そう思って僕たち天女様を連れてきたんです‼︎と言う彦四郎。


六年生の先輩方は無言で彼女を追い、僕と彦四郎と鉢屋先輩だけがその場に残った。続く沈黙に耐えられなくなった僕たちは鉢屋先輩に先に学園に戻るとだけ言い、学園長先生の庵へ向かった。

第四話 確保→←第二話 胡椒 黒木side



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うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時

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