第三十八話 対面 ページ40
｢あ、こ、こんにちはぁ天女様…!!｣
墨が天井まで散乱し書類もぐちゃぐちゃになっている部屋の
真ん中で必死に書類を作成している人が2人。
もちろん我らが用具管理主任の吉野先生。
と
へっぽこ事務員が代名詞である小松田さんである。
扉を開けていつも居るはずのない彼と目が合ったと思ったらオドオドしつつもへにゃりとした笑顔で声をかけられた。
｢こんにちは、小松田さん。天女です。吉野先生何故でしょうか…？｣
何故ここに小松田さんがいるんだというような視線を吉野先生へ向ける。
吉野先生は私と小松田さんを会わせないようにするために午前は掃除、午後は書類作成と決めていたはずだろうに。
吉野先生は半ば呆れ気味に
｢小松田君のいつものドジがいつも以上に酷くて私と珀莉さんでは終わらないと思ったので本人にもやらせているんです。あ、こちらお願いします。｣
と説明すると深いため息をつきながら書類を渡してきた。
机の上に大量に積み重ねられたこれから手をつけるであろう書類といつもにも増して酷い有様の部屋にあぁ…と妙に納得してしまった。
そういえば吉野先生からは一定の信頼を獲得したのか呼び方が変わった。
昇進した気持ちである。
｢そういう事でしたか。でしたらさっさとやらないとですね。｣
書類を受け取り、空いている場所に座ってテキパキと進める。
未だ数日程しかこの作業をしていないのに随分と慣れたものである。
正面は気まずいものかと思って小松田さんの横に座ったがそれもそれで横からの視線が突き刺さる。
そりゃあこんな近くでまじまじと天女を見ることは稀だと思うし仕方ないか。
暫く作業に没頭していると
｢僕お茶を入れてきますねぇ〜!!｣
なんて言って立ち上がろうとした。
｢あ、いや私が行きますよ〜。小松田さんは作業を続けててください。｣
何となく嫌な予感がしたのですかさず立候補した。
｢えぇ…そうですかぁ…？でも天女様にお手を煩わせるのもどうなんですかねぇ〜…｣
ごにょごにょと言っているので気にしないでくださいと立ち上がろうとする。
｢いえ、今日は私が行きましょう。｣
吉野先生からストップがかかった。
この中で1番の年長者にお茶を入れさせるのも如何なものかと抗議しようとしたが数日前にお茶を入れて失敗したのを思い出し大人しく引き下がった。解せない。
｢わ…かりました…｣
まさか私もお茶ですらまともに入れられないとは思わなかったのだ。
泣きそうである。
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うん！ - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (
レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです！こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うん！ | 作成日時：2023年12月24日 1時
