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第三十六話 頼事 ページ38

沈黙に耐えきれ無かったのでカップラーメンの蓋を取り麺を口に運んだ。

久しぶりに食べたラーメンはもはや感動するような味がした。

あぁ美味しい、染みる〜…
普段は食べ過ぎは太るし健康にも悪いため控えているがいざこういうものを食べられないとなると食べたくなるのである。

若干硬いけど2分が美味しいって言うし。

「美味しいですか?」

「はい〜…!!心に染みます。」

私がカップラーメンを堪能している横でこちらを静観している土井先生。


それを無視して麺を咀嚼して嚥下してを繰り返す。

それから麺が無くなる手前程に土井先生が口を開いた。


「もう…生徒とは会いましたか?」


少しばかり重たい空気が流れる。
大方これが本題だろう。


「はい、えぇ〜っとくのたまの子達と六、五、四、三年生の何人かの方とあと一ねん…「一年生に会ったのか!?誰だ!?」ろ組の鶴町伏木蔵さんですけど…」

あの短い日数でもう既に何人もの人に会ったんだと思い出し、最後に一年生と言いかけたその瞬間。

血相を変えた土井先生に物凄い勢いで肩を掴まれた。

おかげで持っていた箸を落としてしまった。
スープはギリギリこぼれなかった。セーフである。

庄ちゃんはノーカンなんだろうか。

「鶴町伏木蔵…あぁ…保健か」

若干伏木蔵君宛への哀れみの表情をした気がする。案外この先生も大概失礼である。

ろ組の生徒だと伝えると若干安堵を浮かべた表情をしたが直ぐに真剣な表情に戻って話し始めた。

凛とした双眸と目が合う。

「貴方に一つ言っておきたいことがあります。」




「もちろん他の学年にも他の一年生にもという話ですが、

一年は組には関わらないでください。」


足元で動きを止めた箸を拾い、砂を叩く。

箸が転んでも笑う年頃なのだ。面白可笑しくて思わずクスリと笑みがこぼれる。

「関わりませんよ。私からはですけど。生徒の方に話しかけられたら普通に対応しますよ。あーでもやっぱり冷たくするべきですか?」

あまりにも従順でケロリとした態度に驚いた土井は目を見開いた。

「嫌がらないんですか?」

「私最初からこういうスタンスで生きてますよ。結構な頻度で話しかけられるのでご存知ないかも知れませんけど。」

私は何時いかなる時も受け身である。それを私は十分に理解してるし治すべきところであることも分かってる。

だって相手が私の事どう思ってるかなんて分からないじゃない。

だからせざるを得ない場合以外は話しかけることなんて無いだろう。

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うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時

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