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第三十五話 着火 ページ37

「食堂のおばちゃんが倒れたのはご存知ですよね。なので昼食は黒古毛般蔵先生のゲテモノ料理かこの木桶に入った野菜と魚を使って自分達で作るかのどちらかになったんです。ちなみに私達教師に聞かず鍋や釜を使わずに料理できたら昼食代がただになります。」


「そうなんですか。まぁ私は元々食事代はタダにして頂いていますので無傷ですけど。色んな所で優秀な忍者としての育成に励まれてるんですねぇ。」


「まあそんなところです。天女様にもお食事をと持ってきたのですが…天女様は火をつける時点で難しそうですね。」

煽っているのか煽っていないのか若干の苦笑いでそう言われた。悪かったですね、落第生で。


「はい、全くもって付きませんねぇ。私がいた所は便利なものが沢山あったので。」

あまりにも私の火起こしが酷かったのか土井先生はため息を一つ吐き、木桶を縁側に置いてしゃがみこんだ。

「まずこのやり方でやるならもっと早く回して下さい。そしたら火種が出来るのでこれに包んで息を吹き掛けると…ほら付きましたよ。」

すごい。秒でついた。
先程までの私の努力はなんだったのだと思うほどには早く土井先生は火を起こしてしまった。

そして流石は教師と言うべきかとても分かりやすい。土井先生の授業は受けたこと無かったので知らなかったがとても分かりやすい。
土井先生が持ってるクラス羨ましいな。


「ありがとうございます。無事食事にありつけそうです。」


心からの感謝をした後お湯を沸かした。
沸騰した後はカップにお湯を注いで3分待つだけ。
まあ3分は勘で行くけど。

その間2人で縁側に腰掛けた。
いやどっかいかないんかい。

「…それは天女様がいた時代にあったものですか。」

「そうです。数分待てば美味しいご飯になるんです。」

「そんな活気的なものが…!?忍者にもってこいではありませんか!!」

「あ、でも食べ過ぎは体に悪いですし数分って忍者にとってまあまあ時間かかると思うので普通に兵糧丸食べていた方がいいと思いますよ。」

「そうですか…」





「ここには慣れましたか?」

「はい、お陰様で。」





「あ、木桶の方も折角なので頂きますね。食い意地張ってるとか考えたら妖術使いますからね。




…天女流の冗談です。」

「その冗談貴方が言うと笑い事になりませんから辞めてください…」

「まあ!!すみません。このネタは封印しますね。」













気まずいがすぎるよこの沈黙。

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うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時

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