第二十八話 回復 ページ30
「こんにちは、天女様。」
「体調を崩されたとお聞きしたのですがその後お加減いかがですか？」
「なんでも事務仕事を休まれたとか！」
「あら、こんにちは、鉢屋さんに不破さん。この通りもう回復していますよ〜。吉野先生にはご迷惑をお掛けしてしまいましたが許してくださいました。」
まさか本当に来るとは思わなかった。
･
兵助の湯豆腐のおかげか風邪は翌日には全快していた。
起きて色々準備してから事務室に行くと吉野先生がいらっしゃった。
昨日の事について謝罪しに行くと真っ先に体調の方心配してくださった。
安心していいものなのか分からないが昨日の事務については一通り大丈夫そうだった。
まあ元々1人(2人)でやっていた業務なのだ。
私がいなくとも補完できるんだろう。
そして今日と明日は休みらしい。
つまり感覚的には土曜日と日曜日である。
それならと今日は一日中部屋で過ごすことにした。
という感じでほんとに部屋で過ごした結果いつの間にか外は夕暮れがいい感じの頃合になっていた。
今日も今日とてご飯を部屋まで運ぶ。
この湯気立つ感じが食欲をそそる。
いつも通り誰とも会わず…この数日で既に2人は会ってるのは置いておいて、誰とも会わずに部屋まで帰ろうとしたところ冒頭部分に至る。
それにしてもこの嫌味ったらしい笑顔が随分不愉快である。
「食堂でお食べにならないのですか？」
「もし雨が降ってきたらまたお風邪を引いてしまわれますよ？」
「食べたいのは山々ですが禁止されていますので〜。」
「ここには慣れましたか？」
「私のことは覚えていらっしゃいますか？天女様がこちらに来た時お会いしたんですよ。」
「お陰様で楽しく過ごさせていただいています。はいはい覚えてますよ。」
一言声掛けに来たのかと思えばついてくるついてくる。
ずっと質問ばっかしてきて鬱陶しいったらありゃしない。
終いには部屋の目の前まで着いてしまった。
それでも彼らは帰らない。
早くご飯食べたいのに。
いっその事この二人の目の前で食べてしまおうか。
そんな考えが過った。
心底迷惑そうな顔をしている私を他所に二人は不気味な程にニコニコしていた。
そして急に二人で位置をシャッフルしだした。
実にシュールである。
一定の時間シャッフルし終わると止まって
「天女様はどちらが不破雷蔵でどちらが鉢屋三郎だと思いますか？」
双子の定番ネタをしかけてきた。双子じゃないけど。
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うん！ - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (
レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです！こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うん！ | 作成日時：2023年12月24日 1時
