第二十七話 豆腐 ページ29
ストンと降りてきた紺色の忍たま服を着た人は皆さんご存知豆腐の人だった。
あ!兵助だ〜
なんてお気楽な頭ではないので
不法侵入…上から…えぇ…
別の天井板から来るってことは手馴れてる…常習犯?
と久々知の行動にドン引きしていた。
「毒が入ってるとか思わないんですか?」
ドン引いているAを他所に久々知兵助はAに問いかけた。
兵助帰ったら天井板全部固定しなきゃ。
そう固く固く決心した。
えぇ…と更にドン引いてる私に気づかないのかフリなのか兵助は返答を待つようにじっとこちらを見ていた。
「まあ、はい。久々知さんは自分の好きな物で人を殺すタイプなんですか?あ、湯豆腐美味しかったです。」
姿勢を直してからお辞儀し、そう問い返すと既に大きい目を更に大きく見開いた。
しかし同級生しかも友人に敬語を使うのは我ながらゾワゾワくるものがある。逆も然りである。
「いえ…そんなことは。ありがとうございます…というかやっぱり俺のことも豆腐のこともご存知なんですね。」
流石は天女様だと言わんばかりのもの言いである。
「あーまあ天女ですからねぇ…」
Aは久々知兵助が休みの日には豆腐作り、学校にいる時は豆腐を三つ並べて消すゲームだったり豆腐のテトリスだったりを暇さえあればしていたのが衝撃的すぎて忘れられなかった。
因みに私は豆腐地獄というものにまだ遭遇していない。
なんなら兵助の豆腐は食べた事がない。これが初めてである。
ヘルシーで良さそうとか言ってみたところ経験者たちに結構本気で止められた。
そういえば兵助、なんか変なこと言ってたな
なんて回想に浸っているとまた兵助が口を開いた。
「今回天女様を助けたことに特に理由はありませんので変に考えて頂かなくて結構です。吉野先生にはお伝えしていますので今日のところはゆっくり休んでください。」
暫くの沈黙を破った兵助だったが言われたことはそれだけだった。
それだけ?なんだったんだ今の沈黙。
兵助は立ち上がって部屋から出て行こうと扉に手を当てるとあ、と言って振り返った。
「近日中に上級生が話しかけてくることが多くなると思います。お気をつけて。」
そう言うと部屋から出ていってしまった。
.
“勘右衛門!!ちょっとでいいから!!Aは湯豆腐美味しいって言ってくれたぞ?俺凄く嬉しかったんだから”
“Aはそんなに頻度高くないからだろ〜?”
“?私兵助の湯豆腐食べた事ないけど”
““あ””
そういうこと。
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うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時