第二十二話 転倒 ページ24
朝起きると既にもう本が置いてあった。
本当に仕事が早い。某配達業者よりもお届けが早くてびっくりした。
今日は帰ってきたらこれを読もう。
湿気で本がダメにならないようにいそいそと本を部屋にしまった。
今日は雨だけど気分がいい。やっと暇を潰せそうなものが出来たからである。
今日は廊下掃除を主にすることにした。
雨水が端に溜まってあったりするので滑ると危ないからね。
そう思っていると一年生が通りかかった。
「そこ水溜りあって拭いてないので気をつけ…あー…」
気をつけた方がいいよと言おうとしたら案の定滑って転んだ。フラグを思いっきり踏んだな。
「いてて…水で滑るなんて凄いスリル〜…」
「大丈夫ですか〜？」
この子は知らない。
ので一定の距離で話す。
「ひぇ…て、天女様…転んだ先に天女様がいるなんて凄いスリル〜…」
まあ確かに驚いた後にまた驚くなんて凄いスリルだね。
一人の世界にいるっぽいので手を振ってもう一度聞いてみる。するとハッとした表情になって
「大丈夫です〜!!すみません〜!!」
と走り出した。
「あっそこも水溜まりありま…あー…」
また転んだ。まあお決まりである。
此度もその場から動かず聞いてみる。
「お怪我ありませんか〜？」
「いてて…すみません…怪我は無いです〜…」
「驚かせちゃってごめんなさいね〜君がどっか行くまでここから動かないから大丈夫になったら動いてくださいね。」
「は、はい〜!!ありがとうございます〜…!!」
私から更に離れた向こう側に行くあの子を見送っていると立ち止まって振り返り意を決したように言い放った。
「…僕鶴町伏木蔵って言います!!失礼しました!!」
「？ああ、はい…？」
それだけ言うと走り去ってしまった。
…また転ばないといいな。
．
また視線を感じる。
ここに来て、ここのくノ一のお風呂を使ってる間ずっと視線を感じている。
しかもタイミングが良いのか悪いのか。毎回あの子達と入浴時間があっている。
見られている分にはいいけど分かりやすくヒソヒソ話すならハッキリ言って欲しい。
我慢は苦手である。耐えた方だと思う。
Aは意を決して例の子達に話しかけた。
「…何かあるなら直接「あの…」おーう…」
先程まで風呂に浸かっていた子達がすぐ目の前にいた。
流石はくノ一のたまごと言うべきか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うん！ - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (
レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです！こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うん！ | 作成日時：2023年12月24日 1時
