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第二十一話 衝突 ページ23

小松田さんは今日特にミスが多かったらしい。

午後に事務室に戻ると疲弊しきった吉野先生がいらっしゃった。

渡された書類は大体昨日の2、3倍だった。

そのため終わる頃にはおばちゃんからご飯を貰ういい時間になっていた。


「食堂のおばちゃん、こんばんは。」

「あら、珀莉ちゃんこんばんは。はい、これ夜ご飯。お残しは許しまへんで!!」

「ありがとうございます。」
湯気立ったごはんに思わず顔が綻ぶ。

そう言えばの話だがおばちゃんの敬語が外れた。
どうやらこの毎回の食事を貰いに行くのと毎回しっかり残さず食べている事が気に入ったらしい。

まあ美味しいし当然のことである。
おばちゃんのご飯は私の苦手なものの克服にも貢献して頂いている。ありがたい限りである。

それにしても今日は美味しそうなものが多い。
これ昨日も似たようなことを言ったな。


るんるん気分で歩いていると人とぶつかりそうになった。

「あっすみませ…」

その人にご飯の無事を集中し過ぎてバランスを崩してしまった私の身体を支えてもらった。

「…すみません…ありがとうございます。









えーっと中在家さん。」


「もそ…お怪我はありませんか?」

「お陰様で…助かりました。」

中在家先輩のことは今日から神と崇めよう。私の大切なご飯を守り抜いてくれたのだ。

「…」

「…」

いつもの強面でじっとこちらを見つめられる。
じっと見つめられるのは苦手である。
ほらこの様に目が泳いでしまう。

「えっと、私もう行きますね〜。ありがとうございました。」
いたたまれなくなったのでその場から逃げようとした。
気まずい雰囲気も苦手である。

「…なにか欲しいものはありますか?」

声の大きさとしては決して大きいものでは無かったが確かに聞き取れた。

「本、本が欲しいです…!!暇を潰せるような。」

中在家先輩は小さく目を見開いた後静かに頷いた。

「…近いうちに天女様のお部屋の前に置いておきます。」

「…!!ありがとうございます。」
これはここに来て一二を争うレベルで嬉しい事である。

やはり彼のことは神と崇めよう。

先程よりもるんるんとした気分で周りに気をつけながら自室に戻った。

多幸感に包まれながら食べたご飯は勿論とてもおいしかった。


お風呂に行くと例の如く例のくノたま達が居てまたヒソヒソと話していた。
もはや好きだろう。私のこと。

布団の中で思ったことがある。今日は色んな人と関わってしまったなと。(尚二人)

気をつけないと。

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うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時

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