第一話 邂逅 黒木side ページ3
「そこのガキども痛めつけられたくなければその団子を渡すんだな‼︎」
今日はあまりついていないと思う。
そう黒木庄左ヱ門は思った。
同じ学級委員長委員会である今福彦四郎と学園長先生のお使いへの帰り道。土井先生から気をつけるようにと言われていた山賊に出会ってしまった。ここら辺で最近道行く人の食糧や金目のものを奪っているらしい。
後少しで忍術学園だというのに絡まれてしまうとは。
それにこの山賊は学園長のお使いで買ってきたこの団子に目をつけているらしい。先程からそれを早く渡せと言ってくる。
面倒だし困ったなあ。
僕1人ならもしかしたら逃げられたかもだけど隣の彦四郎は怯えてしまっているし。そう困り果てていた時だった。
山賊の背後に現れた影は山賊に謎の粉をかけた。
「げほっ‼︎げほ‼︎な、何だこれは！くしゃみが止まらねえ！」
そう言う山賊をその人は見て
「これってほんとに効くのね〜。そこの君たち逃げるなら今のうちですよ。」
と間延びした喋り方でとても目の前に山賊がいるとは思えないほど呑気に言っていた。その言葉にハッとした僕たちは彼女の手を掴んで「あなたもです！僕たちについてきてください！」と走ってその場を去った。
山賊が追ってこないであろう場所まで走って息をつく。幸い3人とも無事だったし団子も無事だった。その場から離れるのが最優先だったために気が付かなかったがふと目に入ったこの時代では見慣れない服装、見慣れない持ち物。先程まで恩義を感じていた彼女への気持ちに混じるどうしようもない不快感と恐怖。
ああ。学園長先生に報告しなければ。
この人は、天女だ。
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うん！ - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (
レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです！こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うん！ | 作成日時：2023年12月24日 1時
