第十七話 視線 ページ19
「どれもミスありませんね。」
良かった〜〜〜〜。
Aはほっと安堵の表情を浮かべた。
「今日はこれ以上する事もないですし、帰って頂いて大丈夫ですよ。」
え
クビ?
ミスは無かったけど良くなかったとか?
いや単純にもう仕事がないから?
一人ショックを受けかけている事に気が付いたのか
「ああ、明日もよろしくお願いします。」
と付け加えてくれた。
「!はい。」
よかった。クビじゃない。
少しだけ認められたような感じがした。
確証の無いものより確証のあるものが好きだ。
「それではお先に失礼します。」
と挨拶をしてから部屋に戻った。
どうやら事務仕事は早めに終わったらしく、夜ご飯を貰いに行くには些か早く、暇な時間になってしまった。
小窓からは朱い夕焼けが差し込んでいた。
そういえばと思ってスマホを弄ってみたが時間は私がここへ来た時と変わっていなかった。
電波も圏外だし…現代人としてはスマホが使えないのは少々苦痛だ。
はあ。
先にお風呂入ろ。
くノ一のお風呂はここからまあまあ遠い。早めに行っておいた方がいいだろう。
どうせならくノ一の方に離れを作ってくれればよかったのに。
シャンプーもリンスもスキンケア用品も持っては来ているけどいつまでここにいるか分からない。
だからちびちびと使っている。
化粧品は中々減ることがないから使いたいがメイク落としの方が無くなるのが心配でリップを塗ることくらいしか出来ていない。
まあまあの苦痛である。
もしかしてこの時代もメイク落としとか無いかな。
風呂に入ると昨日の子達が居た。
またこちらを見てヒソヒソと話すものだからやっぱり私の可愛さについて話してるんだろう。
…この考え方滝夜叉丸みたいで嫌だな。
着替えて部屋に戻る頃にはちょうどいい時間になっていたので朝と昼みたいにおばちゃんにご飯を貰いに行った。
今日は鯖の味噌煮定食らしい。
鯖とホカホカのご飯を一緒に食べると美味しさが2倍になった感じがする。
幸い今日は嫌いなものが無かったので苦しまずに食べる事が出来た。
おばちゃんに食器を返すと昨日早くに寝たからか瞼が重くなってきた。
今日も早く寝よう。食べた後すぐに寝るのもどうかと思うがどうせすることも無いし…
歯を磨いてからその日は眠りについた。
.
_____ 忍者のゴールデンタイム。
つまり良い子は眠りについてあろう深夜。
六年い組の部屋に数人の忍者が集まっていた。
.
謎に非公開にしてました…
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時