第九話 日記 ページ11
「天女様のお部屋はこちらになります。後ほどお食事とお召し物をお渡しに向かいますね。」
「ありがとうございます。」
案内されたのは六畳くらいの離れ。忍たま長屋に少し近い。シナ先生は私の返答を聞くなりどこかに行ってしまった。
戸を開けた途端に溢れ出る甘ったるい香りに思わず顔を顰めた。
息を止めて散乱した物をかき分け一直線で窓へ向かう。窓を開けて風の通り道を作ったことで匂いは幾分かマシになり。頭痛も引いてきた。ような気がする。
「あの子達香水何本ストックあるの〜⁉︎」
この匂いの充満具合的に毎回香水丸ごと一本ぶっかけてると疑いざるを得ない。
Aは息をついて辺りを見回した。ごちゃごちゃした部屋を見て私の部屋と対して変わらないなと思い一歩踏み出すと足に激痛が。
「〜〜〜っ‼︎」
床に落ちていた小物を踏みあまりの痛さでうずくまる。
こういうのって普段のより何倍も痛く感じる…
訂正しよう。私の部屋の方がマシだ。
取り敢えず片付けよう。これじゃあ寝床の確保どころか足の踏み場もない。
それと売れるものと売れなさそうなものとで分けた。
この簪は売れそう…素人目だから高いかは知らないけど。
やだこんなとこにガラスがあるじゃない‼︎危ない全く…
この着物もいけそう…古着だけど。
ああ、でもこの時代は古着が普通なんだっけ。あれそれは江戸？まあいいか。
初めはただの汚部屋だと思っていたがいざ整えてみると売れそうなものが沢山あった。
掃除っていいのね〜‼︎こんなに沢山売れるものがある…‼︎天女の部屋も捨てたもんじゃないわ‼︎宝の山だもの‼︎
ふと視界の端に何かが映った。
このノート…懐かしい…まだあるのか。
それは私が過去にトリップした時に日記代わりに書いていたものだった。
当時はこの離れもなかったから何人目かの天女がここへ来る時持ってきたのかな。
今では他の天女の日記にもなっているらしい。パラパラとページをめくるとあまりに刺激的な内容の数々で頬が赤くなったのを感じたので見ないことにした。
もはやこれ官能小説として売れるのではなどと最悪な考えが頭をよぎった。
あ、もちろん名前は伏せますよ。
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うん！ - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (
レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです！こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うん！ | 作成日時：2023年12月24日 1時
