殺人遊戯−01− ページ1
−ガサッ、ガサッ
ミコトは黙ってかりんとうの袋をみんなのデスクに配る。
『ありがとう、ミコト』
「いいえ〜」
夕子はデスクに座ると、かりんとうの袋を開けて言う。
「あ〜疲れた〜所長、他に甘いものないんですか?」
「えっ?」
「毎日かりんとうばっかり」
その発言に神倉は目を丸くする。
「東海林さんが解剖のあと甘いものがいいから、かりんとう常備してくれって」
「撤回!もう飽きました〜」
無言で見つめてくる神倉に、夕子は気まずくなったのか隣の久部の肩を叩く。
「アハハハ、飽きたって六郎が言ってました」
「言ってませんよ」
所長は何箱も積まれたダンボールを見て溜息を吐く。中身は全部かりんとうだ。
「所長!これ、配りましょう。遠隔死亡診断のガイドライン」
ミコトは悪くなった空気を変えた。
「お願いします」
神倉は頭を下げ、ミコトは冊子を全員へ配っていく。
『ありがとう』
「遠隔死亡診断?」
『厚労省の主導で新しく始めるんだって』
久部の疑問にAは優しく微笑むと答えた。
神倉は説明を始める。
「離島や過疎地と行った医師がいない場所で亡くなった人のご遺体を看護師が映像で撮って、それをこっちにいる医師がテレビ電話などで死因を確認して死亡診断書を発行するというシステムです」
「あのこれ、映像だけで死因なんてわかるものなんですか?」
久部の疑問に中堂は言う。
「分かるか。俺に言わせりゃこんなもんクソの役にも」
「一概に否定しない!必要があって考えられたシステムなんですから」
神倉の言葉に久部も頷く。
「そうっすよね」
「うちもいつ依頼があるか分かんないんでちゃんと読んどいて下さいね」
「はい」
ガタン!
「えっ、捨てた?」
中堂はかりんとうの粉を手で払うとそれを読まずしてゴミ箱へ捨てた。
ミコトはそれを驚いた表情で見ている。
「中堂さ〜ん!ああ〜」
神倉を無視して中堂はコーヒーを淹れるようとすると、そこにAがやって来る。
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鞠香(プロフ) - ともみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ - おもしろい!更新楽しみにしてます! (2018年3月19日 2時) (レス) id: f743b881db (このIDを非表示/違反報告)
鞠香(プロフ) - 青龍 葵さん» こんにちは。ドラマの疾走感凄かったですね!完結はもう少し先になりますが、それまでお付き合い頂けると嬉しいです!優しいお言葉ありがとうございました。頑張ります! (2018年3月17日 18時) (レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - あっという間にドラマ終わっちゃいましたが、どのような最後(完結)になるんだろう?中堂さんとの関係は?とか思いながら、まだまだ完結は先かと思いますが無理のない程度で頑張って下さい!更新、楽しみにしてますw (2018年3月17日 4時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鞠香 | 作成日時:2018年3月11日 14時