過去を捨てて【中堂系】

不自然６ ページ8

ご遺体の4人中3人目の担当だった中堂班の結論は、一酸化炭素中毒での死亡。


系くんが縫合中、それを報告すると毛利刑事は「よっしゃあ！これであと1人〜！」と騒いでいた。


それにカチンときて言い返そうとしたら、
縫合が終わった系くんから腕を引かれた。

中「バカの相手はするな、行くぞ」
「でっ、でも」
中「お前までバカになったらどうすればいい」


ほら、って手を繋いで解剖室を後にしようとするから、慌ててついていった。


なんか大事なこと発見したっぽかったのに…。






.






中「お前はすぐ人に突っかかる」
「待って、それ系くんに言われたくないんだけど」
中「誰彼構わず行くからいけないんだ。バカの相手はするなって何回言ったら分かる」


早めに解剖が終わったから、早めの昼食。
作ってきたお弁当を系くんに渡して、二人でお弁当を食べる。


系くんの分のお弁当を作るのは医大時代からだけど、いつまで経っても「美味しい」の一言がない。
感想を期待する方が間違ってるってことに気づいたのは大学4年の時。

いつも昼前に受け渡しの場所で落ち合う約束だったんだけど、その日はたまたま研修が長引いたみたいで。

先輩にあたる系くんの所まで弁当を持って行ってあげたら、無言で受け取られて無言で返された。
「わざわざすまない」とか言って欲しかったなぁって思ったけど、期待したら負けって気づいた。









夕希子さんのお料理には「美味しい」って言ってたけど、ね。

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