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不自然29 ページ38

解剖が終わってすぐUDIを飛び出してきてしまった私が辿り着いたのは、海だった。


どうしてここに辿り着いたのかも分からないし、ここでやりたい事も特にない。
強いて言うのなら、系くんの前から消えたかった。





こんな醜い自分を、少しでも見せたくなかった。




「そりゃこんな女に愛なんて向けたくないよね」


一途な思いを向けてほしい、それは何も変わってない。
だけど、こんな中身が出来てない人間が愛される訳ない。


いっその事、海に沈んでしまおうか。



どうせ、系くん含めUDIメンバーは私が居なくなった事に気付いていない。着信がひとつも無いスマホがそれを物語ってる。

それが自分の人望の無さをまざまざと見せつけてくるようで、嫌になって電源を切った。


ミコトにも、夕子にも、六郎にも迷惑かけてしまってた自分。嫌われて当然。



「は〜…、暗いな自分」



まるで夜の海のよう。
…って、何言ってんだ自分。ポエマーかよ。





暫く海の前でしゃがみこんでいると、強く風が吹いて私が肩にかけていたスカーフが海の方へ飛んでいった。



「あっ…」



まずい、取りに行かなきゃ。


咄嗟に考えついた私は、靴を脱いでズボンを捲りあげて海の中に入っていった。



「冷たっ!」


波のせいでどんどんを遠くへ行ってしまうスカーフを追いかける。
あれは系くんがくれた、最初で最後のプレゼントなんだ。死ぬまでは持っておきたい…!



ザブザブと水を掻き分けていくと、漸くスカーフが手に届いた。

取れたことに安堵すると同時に、海底にあった海藻に足を取られて背中から海の中にドボン。



「全身水浸しじゃん、…これじゃ乾くまで帰れないな」



独りごちながら海の流れに身を任せる。


このまま、消えてしまえたらどんなに楽か。
でもそれは神様が許してくれないから。

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設定タグ:アンナチュラル , 中堂系   
作品ジャンル:恋愛
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (9月18日 14時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - 楽しみに待ってます(^^♪頑張って下さい!! (2018年8月4日 17時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
リバシィ(プロフ) - Yuriさん» ああ有難うございます( ; ; )もう少し更新できそうなのでもう少々お待ちくださいませ…! (2018年8月3日 0時) (レス) id: f935d442e4 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませて頂いています。更新、楽しみにしています! (2018年8月1日 18時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ソニア(プロフ) - リリーさん» 有難うございます!亀更新に拍車をかけてなかなか更新してませんでしたが、気長に待っていただけると有難いです…! (2018年5月28日 19時) (レス) id: f3130aacba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リバシィ | 作成日時:2018年2月23日 1時

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