過去を捨てて【中堂系】

不自然１４ ページ17

あれから系くんとラボに戻ると、
ミコトには謝られ、夕子と六郎くんからすごく心配された。


所長はちょうど出払ってたみたいで、いなかった。残念。





ミ「A〜〜〜！！意識戻ったんだ、よかったぁ…！！」
夕「あんたどんだけ心配させたら気がすむのよぉ！」
六「でも、無事でよかったです。本当に」
「みんなごめんね」



涙目で抱きついて来る夕子を抱きしめる。


夕「死んじゃったかと思ったぁ…」
中「そんな物騒なこと言うな。死なせてたまるか」


後ろからにラボに入って来た系くんが、夕子から私を引き剥がす。
頭を軽く撫でてから、所長室に入っていった。

系くんを見て思い出した、あることを聞いてみる。


「私が意識ない間、系くん何してた？」



聞いた途端、顔を見合わせる三人。
やっぱり浮気してたんじゃないの？
なんかすごい言っちゃっていいのみたいな雰囲気だけど。


夕「…これ言って中堂さんから殺されないかが心配」
六「『何言ってんだクソが！』って怒られそうですよね」



夕子と六郎が「うーん」って渋ってる中、
ミコトが覚悟を決めたように俯いていた顔を上げた。



ミ「…Aの意識がない間、中堂さん一睡もしてないし仕事もしてないの」
「えっ？」
ミ「ずっと面会時間の間病室にいて、それ以外はずっと所長室で病院からの連絡待ってたみたい」
「…そんな」
夕「ミコト、言っちゃうんだ」
ミ「やっぱり知って欲しくて。どれだけ心配されてるかってこと」
六「確かに凄くクマ作ってましたよね。ずっとソファに座って祈ってたし」




言ってもらってよかったかも。
浮気だって疑ってしまった自分が今すごく恥ずかしいし、


ずっと夕希子さんと比べてしまっていた自分が情けない。




系くんはちゃんと”私”を見て、”私”を好きになってくれてたんだ。



そう思うと、涙がどんどん溢れて来た。

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