予定外の証人−11− ページ30
そして、Aは今までの資料が保管されている資料室へ足を運んだ。
『残ってる資料は、心臓血に傷口……うーん』
ホルマリン液に入れられた傷口を見てAは、はっ！とひらめく。
それを持ってミコトと夕子の元へ走って行った。
『ミコト！夕子！』
ラボに慌てて入ってきたAに、２人はビックリする。
「え、どうしたの？」
「何持ってるの、それ」
Aは２人に言う。
『これ、傷口なんだけど、ホルマリン液を分離できないかな？』
「ホルマリン液？」
首を傾げたミコトに、Aは続ける。
『真の凶器はステンレス製の包丁。傷口に付着した成分がこのホルマリン液に溶け出てないかな？』
「あー確かに！」
「これでぎゃふんと言わせる事が出来る！」
ミコトの驚く声に夕子も同意した。
そして急いでそれを分離にかける。
『鉄、クロム、ニッケル』
結果を見て呟くAにミコトは笑顔を浮かべ、夕子はガッツポーズをする。
「ステンレスの成分！」
「ぎゃふんいただきました！」
『待って……Siってこれケイ素でしょ？包丁の成分にしては数値が異常に高くない？』
「すこぶる高いね」
「なんで？」
「分かんない」
『うーん……分かんないままじゃ証拠としてもまずいよね？』
「ぎゃふんお預け？」
「お預け！理由調べないと」
『元素分析しなきゃだね』
「えーとえーと、元素分析が出来る企業……ミクロリサーチ社！」
夕子の閃きにミクロリサーチ社の企業を訪れるがそこはもう電気が落とされもぬけの殻だった。
「あ！帰ってるし〜」
『もう１８時過ぎてるもんね』
「あっ！拘置所の面会時間とっくに過ぎてる。桜小路さんの説得が出来ない」
「どうすんの？」
「とにかく元素分析！」
「じゃあ、私ミクロリサーチ社の本社に電話してみるね」
『夕子お願いね！ところで桜小路さんの説得って？』
「実は桜小路さんがやってもいない罪を認めるって言い出して……この前の公判で不安になっちゃったんだって。おまけに女は信用出来ないって……それを説得しに行こうと思ってたのに拘留所の面会時間過ぎてるの」
『えっ、そうなの？』
「あ！Aさん、三澄さん！」
そこに、久部がやってくる。
「さっき坂本さんに会って」
『え？』
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カハラさん(プロフ) - 中堂先生のお話ないかな〜と探していたところ、こちらに辿りつきました。とても楽しいです！そして胸キュンしてます。ステキなお話を作ってくださってありがとうございます。 (2021年2月23日 8時) (
レス) id: 1af5439158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 質問よろしいですか？ (2020年12月26日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞠香 | 作成日時：2018年1月31日 23時
