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死にたがりの手紙−08− ページ16

ミコトは更に辺りを見回すと、バインダーに挟まる白いメモ用紙を見つける。
そこには不自然に、エ、イルというカタカナが震えた線で書かれていた。

それに、ミコトは解剖でミケちゃんの胃から出てきたダイイングメッセージを映したか写真を重ねる。


『ユキオトコノイエ』

「タスケテ花イル」


Aに続いて、久部が読み上げるとミコトは言った。


「花は監 禁されているもう1人の名前」

「行方不明の松倉花!」


ハッとした顔で久部が言うと、ミコトは携帯を開く。


「ガラケー圏外だ。スマホ通じる?」

「僕スマホバイクです」

『ごめん、わたしもバイクに全部置いてきちゃった。取って来る』


UDIラボへ連絡する為、スマホを取りにトラックから出ようと後ろを振り返った瞬間、扉が閉まりかける。


『待って!』


Aの叫び声にいち早く久部が反応する。


「おい!」

「開けて!」


Aと久部は扉を必死に押すが、どうやら鍵をされてしまったみたいだった。
ミコトもどんどんと扉を叩くが開く気配は全くない。

すると、送風口から音が聞こえて、冷気が流れ込んでくる。


『嘘でしょ……』


それから何度扉を叩いても開けてはくれない。
冷えていくトラックの中、とりあえずダンボールで送風口を塞ぎ、体の周りに巻きつける。


「まつげ…凍ってますよ」

『久部くんもね』


Aの右側でミコトが震えてる。
ぎゅっと抱きついた。


「A……」

『大丈夫、絶対出られる。ここから』


Aの真剣な眼差しにミコトは頷く。
そして、ついにクルマが動き出す


「どこに」

『久部くん、時間測って』

「このまま殺される。だからミケちゃんは手紙を書いて飲み込んだ。犯人に見つかったら捨てられる。暗闇の中必死に花ちゃんを助けようとした」


ミコトの推理にAと久部は同意を込めて静かに頷いた。



.

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カハラさん(プロフ) - 中堂先生のお話ないかな〜と探していたところ、こちらに辿りつきました。とても楽しいです!そして胸キュンしてます。ステキなお話を作ってくださってありがとうございます。 (2021年2月23日 8時) (レス) id: 1af5439158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 質問よろしいですか? (2020年12月26日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鞠香 | 作成日時:2018年1月31日 23時

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