魔界【くろのわ】 (ページ9)

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【舞踏会】お願いページ9

「さて！帰ってゲームするか！」
「待って!」
「何？どうした？」
「お願いがあるんだけど…」
「何だよ？」

僕はスッと立ち上がり、片膝立の葛葉の前に手を差し出した。

「アレクサンドル様。わたくしと一曲踊って頂けますでしょうか？」
「はっ？」
「せっかく舞踏会に御招き頂いたのですから、お相手して頂けませんか？」

葛葉はフッと笑って、手を掴んで立ち上がった。

「姫のお願いじゃ断れません。私で良ければ喜んで。」

そう言った後、お互い噴き出して笑った。

「キャラじゃないね。ｗｗ」
「ホントだよ！ｗｗてか、お前踊れねぇだろ。」
「さっきちょっと見てたら、なんかユラユラしてたら良いみたいだったよ？」
「ユラユラって。ｗｗでも、その袖何とかしねぇとな。」
「そうだった。ぶたさんいないのかな？」

「お呼びですか？」
「ビックリしたー。ナイスタイミングで現れやがって…」
「驚かせて申し訳ございません。叶様、先程お怪我をされたと他の出席者から聞きましたが、大丈夫でしたか？私が離れたばかりに…」
「大丈夫。葛葉が治してくれたから。ぶたさんのせいじゃないですよ。」
「それならば安心しました。もうお帰りになられるのですか？」
「いや、一曲だけこの姫と踊る事にした。それから帰る。」
「左様ですか。それならそのお袖を元に戻さないとですね。」
「ごめんなさい。ぶたさんが仕立てて下さった服に…」
「これ位問題ありませんよ。叶様、腕を前に伸ばしておいて頂けませんか？」
「…こう？」

僕が腕を前に伸ばすと、どこから出したのか、針と糸で器用に縫ってっていって、本当に元通りになった。

「すごい！ありがとうございます。」
「いえいえ。では、楽しんできて下さいね。」