魔界【くろのわ】 (ページ7)

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【舞踏会】妬みページ7

ぼんやり外を眺めていたら、コツコツと足音が聞こえたので振り返った。

「サーシャ！早かったね…って…あれ？」

そこにいたのは踊りを断られた女性と、葛葉を呼びに来た女性だった。

「お初にお目にかかります。」

不敵な笑みを浮かべて挨拶された。
僕は声出すのも悪いと思い、いつもの優し気な笑みを浮かべてお辞儀をした。

「あなた、この地方では無い方ですよね？」

コクリと頷いた。

「まぁ、お喋りできないのかしら？ｗｗそんな方はサーシャとは不釣り合いですわよ！」

踊りを断られたのがそんなに悔しかったのか。
葛葉と恋仲で相棒という優越感を感じ、ざまぁみやがれなんて心の中で毒づいた。

「あら？綺麗な首飾りですわね。」

長い爪で、絶対に外すなと言われているネックレスのチェーンを持ち上げられた。
僕は慌てて手を払いのけてネックレスを押さえた。

「何よ。ちょっと位見せて頂いてもよろしいんじゃなくて？」
「お姉さま、この石凄い魔力を感じますわよ。」
「手を外しなさいよ!」

ネックレスを抑えている僕の肘から手首にかけて、シュッと勢い良くその女が爪で引っ掻かれた。

「痛っ！」

手首から肘までハサミで切られたように裂けて、僕の腕に長い一本の傷が出来た。
そこから血が滲み出てくる。

「さぁ、それを渡しなさい。」

逃げようにも後ろは柵で逃げられない。
蹴り飛ばそうかとも考えたけど、葛葉に迷惑かける訳にはいかない。
おまけに、こいつ等は人間じゃないんだよな。どんな力があるか分かんないし…

女の手がもう少しで僕の首に届く。

…ゴメンね葛葉。

僕は諦めて、目を瞑り押さえていた手を緩めようとした。