魔界【くろのわ】 (ページ40)

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【刺客】追われる理由ページ40

飛ぶスピードがゆっくりになってきたので僕は目を開けた。
目の前に広がるはラグーザ家。
前と同じでサーシャの部屋のベランダに降りた。
僕を下ろされ、部屋に入った。

「はぁ～、マジで疲れた…」

葛葉はゼェゼェと息をしている。
背中を摩って呼吸が落ち着くのを待った。

「ねぇ、何がどうなっているのか、僕さっぱりなんだけど。」
「俺のせいだ。申し訳ない…」

「訳分かんないよ。何で謝られたの？」
「俺が舞踏会で首抉った奴が、お前の命を狙ってるそうだ。」

「あっ…もしかして、葛葉の事取られたから？」
「よく分かったな。」

「だって、理由それくらいしかないもん。でもさ、葛葉も追われてたじゃん？それは何で？」
「あの女が命令したようだ。殺してもいいから俺を連れて来いと。まぁ、俺は一応貴族だし。アイツ等にとって、上のランクの俺を殺せばそいつの地位も上がるからな。」
「なるほどね。貴族を殺す理由が出来て躍起になったって訳か。」
「そういう事。」

理由は分かった。
でも、ずっとここに居る訳にもいかない。

「で？どうする？このままここに居れないでしょ？」

外を見るとさっきの塊が飛び回っている。

「あぁ。勿論。やったらやり返すっしょ！」

葛葉の深紅の瞳が輝いた。
魔力を開放してるみたい。

棚からサーベルと銃を取り出した。

「叶も手伝ってくれるか？」
「勿論だよ。」

僕は葛葉の銃を受け取った。
まさかまた銃を握る事になるとは思わなかった。

「行くか！やっちゃうよぉ～ん。」
「待って。作戦的な物何も無し？」

勢いよく飛び出そうとした葛葉を引き留めた。

「あっ、そっか。適当に飛んで切っちゃおうかと。」
「葛葉は飛べるけど、僕飛べないんですけど？」
「お前は地上から飛んでる奴らを撃ってくれたらいいんじゃねぇ？」
「適当な作戦だなぁ。ｗｗ」

まぁ、僕等らしくていいか。