魔界【くろのわ】 (ページ4)

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【舞踏会】準備ページ4

ぶたさんが、ネックレスを持ってきた。
葛葉の瞳と同じ赤い色の石がついている。

「叶様。これを身に着けて下さい。」
「綺麗な宝石。」
「この石は魔力でできた石です。これを身に着けていると、人間である叶様も魔界の者達はに吸血鬼に見えるんです。」
「そんな事出来るの？」

ぶたさんにネックレスをつけて貰った。
でも、僕的には何も変わった感じがしない。
てっきり牙が生えたりするのかと思ってた。

「ねぇ葛葉。僕何か変わった？」
「んぁ？んー…若干？」

寝っ転がったまま僕を見て首を傾げた。

「若干じゃダメなんじゃない！？」

さっき人間はダメって葛葉言ってたじゃん！

「大丈夫です。アレクサンドル様は吸血をしていないので半分人間のようになっているんです。なので、完全には見えないんでしょう。」

本当かな…ちょっと不安になってきた。

「さてアレクサンドル様には、まずこれをお飲み下さい。」
「やっぱり、飲まないとダメか？」
「魔力弱すぎです。ラグーザ家の品格に合いませぬ。」

渋々といった雰囲気で、葛葉は赤い小瓶を受け取って一気に飲み干した。
そして、ベッドに腰かけて目を閉じた。

すると髪がどんどん伸びて、爪も長く伸び赤くなった。

「ぶた、これで良いか？」

声もいつもより低音になった。
かっこよすぎてドキドキする。

それから、僕もドレスを身に纏った。
黒いドレスで所々に青いレースやスパンコールが散りばめられている。
肌を見せるのが嫌いな僕を知ってるから、手首や首元もしっかり布で覆われている。
おまけにロングスカートに見えるけど、実はパンツでスカートに見えるようになっている。
流石ぶたさん。

僕の準備が終わったと同時に、葛葉も着替え終わったみたい。
貴族の衣装と同じような、中世の貴族のような服装。

「葛葉、カッコいいじゃん！」
「お前…叶だよな…」
「恋人の事分からないなんて。酷いめぅ…」
「だって、お前吸血鬼…」
「アレクサンドロス様も魔力が戻ったんですね。」

その後、ぶたさんから色々と注意する事等を教えて貰った。

僕の言葉は、相手の魔族の言葉に変換されるので会話は可能だけど、基本は微笑む程度にしておく事。
食事や飲み物には口にしない事。
ネックレスは何があっても外さない事。

相変わらず葛葉は、ダルそうにしている。
僕が見慣れている葛葉なんだけど、見た目は全く違ってて。
貴族として立ち振る舞えるのか心配になった。