魔界【くろのわ】 (ページ28)

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【悪魔の子Ⅱ】目的は？ページ28

「もう配信終わったの？」
「あぁ。叶、向こうでちょっと話さねぇ？」
「うん…いいけど。」

リビングで二人並んで座った。

「俺さ、どっちが良いんだろうってずっと考えてて、お前の意見が聞きたい。」
「何？」
「最初はさ、アイツが人間に害を加える為に来たのかと思ったけど、どうやら違うっぽいじゃん？」
「そんな感じには見えないけどね。」

「アイツはさ、俺らと一緒にいると人間界を好きになるんじゃねぇかと思って。」
「いいじゃん。そうなってくれると嬉しいけど。」

「でも、アイツの家は親である人間を殺してしまう程の他種族を嫌う種族なんだよ。まぁ、アイツの父親だけは例外だが。」
「そうなんだね。」

「だから、人間を好きになっちゃ辛くなるんじゃないかと思って。」

確かに。アンドレアが人間を好きになってしまうと、人間である母親を殺された事に不満が強くなってしまう。
そうすると、魔界で生きにくくなってしまうかもしれない。

「じゃあさ、何でアンドレアのお父さんは人間界に行くのを許したんだろうね。だって、お父さんも人間が好きだったんでしょ？そんな所に行かせたら、人間を好きになるって分かるじゃん。」

「確かにな。」

「それでも、行かせたって事は好きになって欲しいんじゃないの？」
「やっぱりそうで良いんだよな。」

結論は出なかった。
結局の所はアンドレアがどうしたいかだから。

「ママ…パパ…」

シクシクと泣きながらアンドレアが起きてきた。

「ゴメン、起こしちゃった？」
「ううん…みんないなくて…」
「ゴメンね。ちゃんといるから大丈夫だよ。」

「パパ…抱っこ…して」
「ほら、来いよ。今日だけだぞ。」

葛葉が抱き上げた。

「あん時は軽かったのに、随分重たくなったな。」

抱っこしたままソファーに座った。
背中をポンポンと叩いて落ち着かせている。