魔界【くろのわ】 (ページ26)

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【悪魔の子Ⅱ】親子みたいページ26

そんな話をしていたらアンドレアが起きてきた。

「おはよう、よく眠れた？」
「…うん。」

アンドレアはまだ眠そう。
ポヤポヤ具合が葛葉にそっくりで笑ってしまう。

「喉乾いた…」
「何飲めるの？」
「パパ、それ何？」
「これか？イチゴオレ。甘いぞ。」
「一口頂戴？」
「ほらよ。」

普段僕以外の人と回し飲みとかしない葛葉が、躊躇いもなく自分のコップをアンドレアに渡した。
珍しい。本当に父親みたいな感情なのかな。

「なにこれ…おいしい…」

一口飲んで幸せそうな笑顔を浮かべた。

「魔族はイチゴオレがお好みなんだね。待ってて、アンドレアの分注いでくるから。」

グラスをアンドレアに渡した。
両手でしっかり持って、おいしそうに飲んでる。
話し方とかちょっと大人っぽいなと思ったけど、仕草は子どもだな。

「ねぇ、アンドレア。今日は何しようっか？」
「う～ん…何も考えてなく来ちゃったんだ。」
「そもそも、お前手ぶらで来たんだろ？１週間いるなら服買わねぇとだろ。」
「そうだね。お買い物行こうか。」
「買い物？パパとママと一緒？」
「そうだよ。３人で一緒にアンドレアの服を買いに行こう。」
「うん！」

僕らは早速買い物に出かけた。
起きたのが昼過ぎだし、夜は配信があるので近場の子ども服を売っている店に向かった。

「凄い。一杯ある！」

沢山の服を見て目をキラキラさせている。

「向こうにはお店ないの？」
「着るものは城の中の者が作ってくれてる。」
「そうなんだ。葛葉でいうロアロママみたいな感じかな？」
「まぁ、そんな感じだな。」

３人で服を選んで購入した。

それから晩御飯作る為にスーパーも寄った。
アンドレアにとっては、見た事もない物ばかりで、これは何？って何回も聞かれた。

テンションが上がったアンドレアは帰りの道中興味がある物に走って行ったりしてる。

「アンドレア。あんまりちょこまか走るな。危ないだろうが。」

そう言って葛葉がアンドレアの手を握った。

「ママも！」

反対の手を出してきたから、僕も手を握って３人並んで歩いた。
傍から見たら、親子に見えたら良いななんて思いながら。