魔界【くろのわ】 (ページ25)

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【悪魔の子Ⅱ】母親ページ25

次の日、っていうか明け方に寝て起きたのは昼過ぎ。
アンドレアはまだ気持ちよさそうに眠っているから、そっと寝室を出てリビングへ。
葛葉も僕が起きた音で目が覚めたみたいで、一緒にリビングに行った。

「ココアとイチゴオレとどっちがいい？」
「イチゴオレ。」
「了解」

目覚めてすぐよくそんな甘いの飲めるなと少し関心しつつ、でも可愛いなって思いながらイチゴオレと僕はコーヒーを準備してテーブルにいる葛葉の元へ。
まだ、眠たそうでポヤポヤしている。

「叶、これ読むか？」

そう言って僕に渡そうとしているのは、アンドレアがが持ってきた魔界の手紙。

「読むか？って、僕に魔界語は読めないけど？」
「あぁ、わりぃ。そうだった。」
「くーちゃん、まだお眠なんだね。」
「やめろその呼び方！」
「ゴメンって。で？何て書いてあったの？」

「最近やたらと母親の存在を聞いてくるようになったんだって。でも、母親は人間で、アンドレアは母親を見た事が無く育った。今までは誤魔化したり、母親はいないと話して納得していたが、今回は折れなかったそう。」

「そうなんだ。確かに母親がいないの寂しいだろうしね。だから、母親に会いに来たの？」

「母親はいねぇ。あっちの奴らに殺されたんだよ。」
「何で？そんな事…」

アンドレアの父親は、葛葉と一緒で人間界に長く生活していて、人間に恋をして子どもができた。
それを父親、アンドレアのお爺さんにバレたらしい。
他種族を受け入れられない思考の家だから、子孫を残す為に子ども、アンドレアだけ奪ってアンドレアの母親は殺された。

そんな…酷過ぎる。

「で、もう誤魔化しが効かねぇって思って真実を伝えたそうだ。」
「子どもにそんな残酷な話を…」
「そしたら、人間を見てみたいと言い出して、僕らに１週間だけ一緒にいて欲しいって頼む内容だった。」
「そうだったんだ…アンドレア辛かったんだね。」