魔界【くろのわ】 (ページ16)

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【悪魔の子】お見通しページ16

「そういえば、この子名前何て言うの？」
「アンドレア。」
「カッコいい名前だね。」

食事を終えて洗い物をしている時も、葛葉はソファーに座って抱っこしている。
普段ならゲームしたりスマホ弄っているのに。
そして、やっぱり優しい顔。
普段はガキとか言ってるけど、本当に子ども好きなんだろうな。

…なんだろう。
とても微笑ましい光景なのに、モヤモヤして黒い感情が渦巻く。

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「叶？」
「えっ？何？」
「終わったんならこっち来いよ。」
「うん。」

僕は葛葉の横に座った。
アンドレアが僕の方に手を伸ばした。

「ほら、叶ママの所に行ってきな。」

そう言って葛葉からアンドレアを受け取った。
なんとなく笑ってくれているような気がする。

「お前さぁ、何考えてるんだよ？」

葛葉がスマホを弄りながら聞いてきた。

「えっ？」
「言いたくねぇなら無理にとは言わんが…」

葛葉はたぶん僕の考えている事見透かされていると思う。
だから隠しても無駄だろうから正直に話す事にした。

「葛葉ってさ、良い父親になるんだろうなって思ってさ。」
「そうか？」

突然褒められて困ってる。
可愛いんだよな。

「でもさ、葛葉が父親になる未来に僕がいないんだって思うと、モヤモヤしちゃった。」
「いや待て。俺が父親になる未来無いぞ。いや、無いとは言いきれんが…叶が母親になればいいんじゃねぇ？」
「いやいや。僕も男なんだけど。」
「男だけど、子どもいちゃいけねぇって訳じゃないじゃんか。」

コイツはゲームのやりすぎで頭おかしくなったのか？

「どうやって産むのさ。」
「そりゃぁ、科学や医療の発達でどうにかなるだろう。」
「それまで僕生きてるかな…」
「俺さ、あんまり結婚とか子どもとか責任あるの俺には無理だと思うし、今が楽しいからそういうの興味無いって言ったら変だけど…でも、叶とならそういった未来も楽しいんだろうなってちょっと思ったんだよな。」

葛葉の未来線に僕がいるのが嬉しかった。

「何ニヤついてんだよ。気持ちわりぃ。」
「ん？何か嬉しいなと思って。」
「まぁ、お前のしょうもない悩みが解決されたなら別に良いけど。」