魔界【くろのわ】 (ページ15)

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【悪魔の子】良いパパページ15

目が覚めると葛葉は僕の横で眠っていて、赤ちゃんも夢の中みたい。
二人を起こさないように寝室を出ようとしたら、泣き出してしまった。

慌てて戻って抱き上げる。
でも全然泣き止まなくて困ってたら、葛葉が起きてきた。

「もしかしたら飯かもな。俺も腹へった。」
「そういう問題？魔族の子って何食べるのさ。」
「何か鞄に入ってたな。」

持ってきたカバンを漁って出てきたのは哺乳瓶。

「えっ？人間と同じじゃん。」
「で、これを入れて人肌のお湯で溶かすらしいんだが…」

赤色の1cm四方のキューブを哺乳瓶に入れた。
ぬるま湯を作って、入れると溶けて赤い液体が完成した。

僕が赤ちゃんを抱っこしてて、葛葉が哺乳瓶を近付けるとゴクゴクと飲み始めた。

「美味しそうに飲むね。そんなに美味しいのかな？」
「人間の口には合わねぇと思うぞ。」

確かに血液みたいで人間の僕からすれば美味しそうには見えない。

あっという間に空っぽになって満足したのか、あぶぁあぶぁと何か喋ってるみたい。
よく見ると、オッドアイじゃん。
右目が少し緑がかった青で、左目が深紅。
まるで僕達みたいだと思ってしまった。

「ご機嫌だね。」
「だな。さて、俺も腹へったし何か頼むか？」
「トーストならあるけど？」
「ならさ、フレンチトースト作ってくれよ。あれ、甘くて旨かった。」
「OK。ちょっと待ってて。」

赤ちゃんを葛葉に渡して、キッチンに向かった。
葛葉はソファーに座って、赤ちゃんに何やら話しかけて微笑んでる。
その光景を見て、寝てる時見た葛葉が子守唄歌ってるのを思い出した。

吸血鬼が人間と同じように子どもが出来るか分かんないけど、葛葉を人間と仮定すると、良いパパになるんだろうな…
葛葉背も高いしカッコいいから、奥さんも美人なんだろうな…

僕じゃ葛葉との子どもは出来ないから、僕のいない未来を想像して寂しくなった。
ふるふると頭を振って、料理に集中する。
葛葉好みに甘めにして、ココアの準備もした。

フライパンで焼いてると、鼻をスンスンとさせながら葛葉が後ろに来た。

「もう出来るよ。てか、火使ってるから、赤ちゃん抱っこして後ろ立つの危ないよ。」
「わりぃ。でもめちゃくちゃ旨そうな匂い。」

「ほら見てみろよ、叶ママの料理旨そうだなぁ～。」

赤ちゃんに見せるようにして話しかけている。
僕も男なんですけど、なんて本当なら考えるんだろうけど、ママって言われてちょっと嬉しくなった。
隣は僕で良いんだって再認識しちゃう。