27 ページ27
.
今日から来るらしいんだけど。そう呟いた途端、まさにタイミングを図ったかのように扉が開かれた。
そこから現れた人物に、思わず私は顔を顰めたし、ショッピくんは「最悪や…」と呟いた。
あは、奇遇だねショッピくん。ショッピくんもコイツと知り合い？
なんて訊ねるよりもその人物が口を開く方が早かった。
「A先輩〜！やっと会えましたね！」
『チーノ…なんでここに…』
ふわふわの髪に、特徴的な瓶底眼鏡の彼は半ば飛び込むような形で抱き着いて来た。
ぱっと見なんだか胡散臭い背の高いのっぽだが、眼鏡を外すととてつもないイケメンなのは知っている(私が生徒会の顔面偏差値具合にキャーキャー言わないのは彼で慣れていたからかもしれない)。
それを知っているのは、彼が私の一つ下の幼馴染だからである。
ci「なんでって、先輩がここにいるからですかね？」
『帰って…』
ci「てか先輩知らなかったんですか？僕生徒会なんですけど」
『マジ？』
ci「大マジやで。…いやぁ、ほんま久しぶりやな。生徒会の仕事で忙しくて来れんかったわ〜」
『そのまま生徒会の仕事に忙殺されてどうぞ』
ci「嫌だなぁ、僕が会いに来おへんかったからって拗ねとるん？」
『ヤメテ、ホントヤメテ…』
痛い、左手の小指が痛い。何故だか知らないが、彼は幼い頃から私の小指を執拗に擦る癖がある。幼い頃はまだよかったのだが、このくらい成長すると力も当然強くなるわけで、例え彼にとっては弱い力でもか弱い女の子である私にはかなり強い力になるのだ。
…まぁ、「痛い痛い痛い痛い」って言ってる私を見て愉しそうに笑っているところを見ると意図的に力を強くしているのだろうけれど。
syp「チーノ、その辺にせえ」
そんな確信犯チーノから私を救い出してくれたのはショッピくんだった。
ショッピくんは私と手を繋ぐ形で小指を撫でて(締め付けて)いたチーノの手を引き剥がして間に入り、チーノの方を向いた。
ショッピくんはこちらに背を向けているため彼の表情はわからないが、チーノは不満気に頬を膨らませていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1286人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じぇーけー - 私の好みドンピシャ過ぎて……🤦更新はもうなされない感じですかね……？どこかで更新のこと仰ってたらすいません！更新されたら踊って喜びます！！どうかご検討を……！長文失礼しました！ (2022年12月7日 23時) (
レス) @page48 id: ed930c6c24 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのかりんとう - この作品めっちゃ好きです！更新してもらえたら嬉しいですけど無理強いはいけない…！できれば無理せず更新してくださると嬉しいです…！！！気長に楽しみにしてます！ (2022年10月4日 2時) (レス) @page48 id: ed930c6c24 (このIDを非表示/違反報告)
ここ - 神作品に出会ってしまった、、主さんのペースで更新してくださるとうれしいです！応援してます。この作品大好きです！ (2022年5月9日 21時) (レス) @page30 id: 65d5889dde (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 続編お゛めでどうございま゛ず…泣 いや〜最初からめちゃくちゃ応援してた作品がこんなになって…お母さん嬉しいです…（は？）これからも頑張ってください…応援してます泣 (2022年4月25日 18時) (レス) @page6 id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き - コメント失礼します続編おめでとうございますこれからも楽しく読ませていただきます応援しております (2022年4月25日 9時) (レス) id: 81c89ca802 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むっちゃい | 作成日時：2022年4月25日 7時
