その151 ページ8
沖矢さん姿の秀一兄さんに警察庁まで送ってもらった。時間の都合上、このまま新幹線で長野に帰るので、秀一兄さんともここでお別れ。
赤「じゃあなA、安室くんによろしく伝えといてくれ。」
『うん。ここまでありがとう。お兄ちゃんが生きてて本当に良かった。』
赤「ああ。スコッチのことは本当に悪かった。まさかAの彼氏だとは知らずに…」
『もういいの。ヒロは元から自決しようとしてたんだし、お兄ちゃんはヒロを助けてくれようとしたんだから。』
赤「Aは俺より完璧だな。」
『完璧じゃないよ。私も、人を殺したことがあるから…』
赤「そのことはボウヤから聞いたよ。ずいぶんなトラウマだそうだな。」
コナンくん、私のことをお兄ちゃんに話しすぎ。
『俺より完璧ってもしかして米花デパートで私が言ったやつ?』
赤「そうだ。沖矢昴の姿だったから何の疑いもなしに俺のことを話してくれたな。」
『今考えたらすっごい恥ずかしい!本人に言ってたなんて…』
赤「Aがあそこまで俺のことを話してくれて嬉しかったぞ。」
『あの時言ったことに一切嘘はないからね。』
秀一兄さんは今朝と同じように私の頭を撫でてくれた。私は昔からお兄ちゃんに撫でられるのが大好きだった。
『じゃあそろそろ行くね。』
赤「ああ、帰ったらまた連絡してくれ。」
警察庁に入っておとといと同じ部屋に向かった。私が出した答えに降谷さんは納得してくれるかな…
『失礼します。羽田です。』
零「A…来てくれたか。」
『当たり前ですよ。今日が期日なんですから。』
おとといと同じイスに座って降谷さんと向き合った。
零「Aはやっぱりあいつの、赤井の妹だったんだな。」
『降谷さんはいつ、私と秀一兄さんが兄妹だって知ったんですか?私が降谷さんと出会った時は、もう名字は赤井じゃなかったのに。』
零「Aが俺の家に泊まりに来た時だ。截拳道といえば赤井、世良真純の兄も赤井、左利きも赤井、Aが言ったことは全部赤井に当てはまる。」
『お兄ちゃんのことそんなに知ってたんですね。』
零「あいつのことは殺したいほど憎んでいるからな。」
『もうお兄ちゃんを失いたくないから殺さないでくださいね。』
零「それはどうかわからないな。」
『もう、仲良くしてくださいよ。二人とも私の大切な人なんですから。』
零「それで、どちらにつくかもちろん決めたんだろうな?」
『はい…』
降谷さんの綺麗な空色の瞳を見つめる。
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年6月16日 20時